先日、団体旅行の機会があり、徳島県の祖谷地方に行った。吉野川上流の支流沿いにある、かの有名な「祖谷のかずら橋」を渡って、旅館の箸袋に書かれていた「祖谷の粉引き歌」を旅館のおかみの生歌バージョンで堪能して満足していた。「祖谷の粉引き歌」は、演歌歌手の方もカバーするくらい有名な名曲で、阿波おどりでも舞台演舞では定番の曲として用いられている。「風に吹かれてゆらゆらと」という歌詞が印象的だ。
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演歌でも「かずら橋」という曲があることを知ったが、やはり「風がなります」「揺れる」みたいなキーワードが入っている。「揺れる心」と掛けているんだろうけれども。
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実際のかずら橋は、ツルで覆われているがなかなか丈夫そうで、風が吹いてもびくともしなさそうな、しっかりとした橋ではあった。それでも、橋の隙間から下をみるとその高さにすっかり腰が引けてしまい、渡り切ることはできなかった私。資料館にあったかずら橋の写真は、ちょっと心許ない感じだったので、そんな様子が、歌の題材にちょうど良かったのかもしれない。
このエリアは民謡の宝庫とのことで、その他「祖谷甚句」という曲もあるそうだ。
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素敵な曲だなぁと思いながら、徳島の民謡を調べていて、初めて知ったこと。それは、祖谷地方というのは西祖谷と東祖谷に別れており、民謡やその節回しも西と東で異なる、ということだった。教育芸術社のサイトに、各県の民謡を紹介しているページがあり、こちらにも「祖谷の粉ひき歌」が徳島の代表的な民謡の一つとして紹介されているのだが、これから推察するに、歌詞に出てくる「かずら橋」も、東祖谷山村の「奥祖谷二重かずら橋」をさしている場合と、西祖谷山村にある「善徳のかずら橋」を指す場合があると。
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では、東祖谷の民謡はというと、嫁や嫁じゃと...と始まる「祖谷の粉ひき節」というのがあるそう。
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10月には毎年、祖谷に伝わる民謡を後世に残していくことを目的に、「祖谷の粉引き節日本一大会」が開催されるそう。その会場は東祖谷なのだが、大会では「祖谷の粉引節部門」「東祖谷の粉引節部門」でまずそれぞれ勝者を決め、さらに各部門の二人が競うことで、総合優勝者が決まるとのことだった。
2023年の様子は、地元ケーブルテレビのYouTubeチャンネルから見ることができる。
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私が今回行ったのは西祖谷村の方のかずら橋だったが、これで満足しては行けない。今度は、東祖谷まで足を伸ばさなければ。まだまだ行くべきところはたくさんあるなぁ。
こちらのブログには徳島の民謡についての情報が掲載されているので、後でじっくり読んで見ようと思う。
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