碇潜(いかりかづき)@なかのZERO新春能

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番組は「神歌(素謡)」「茶壷(狂言)」「碇潜(かづき)」。会場について見ると、「体調不良により出演者が変更になる」とのお知らせが。でもその代わりのメンバーが豪華。とくに狂言では出演者がまるまる変更になる、という状況はコロナ禍ならではという感じがするが、このメンバーに文句のある人はいないだろうな。1週間前に実施したリハーサルの後に出演者変更になったそうなので、さぞかし大変だったのだろうと思う。
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さて、以下は能楽の知識がまったくない人間の個人的メモ。
●神歌
天下泰平、国土安穏、五穀豊穣を祈る儀式曲「翁」を、装束をつけずに謡だけで表現する時に観世流では「神歌」というらしい。そして、演者はきちんと身を清めるらしい。これをみるのは2回目なのだが、「ちはやぶる...」のあたりが聴き取れたのがうれしく、「とうとうたらりたらりら...」というところが妙に印象に残ってしまった。新年にこの演目がみられただけでも運がいい、というものだろう。
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●茶壷
萬斎さんの代わりに出てきたお父様の万作氏と息子の裕基氏、甥っ子にあたるだろう太一郎氏。酔っぱらいの持っている茶壷を奪いあうというシンプルなお話なのだが、シテ役の万作のとぼけた感じがなんとも愛らしくて笑ってしまった。茶壷の持ち主のところを盗みぎきしたり、盗み見しながら舞を舞ったり...。

●碇潜
舞台は壇ノ浦(早鞆の浦っていうんですね)。平家ゆかりの僧が船に乗りたいと老人にお願いをすると、老人が船賃として法華経を読んでほしいと頼まれる。無事向こう岸にたどり着いた僧は、老人に源平合戦の物語をお願いする。老人はそれらを語ってから、自らが平家の亡霊だと仄めかして消える。
その夜、僧が岸辺で弔いのお経をあげると、お琴の声が聞こえてくると同時に海上に一艘の船が現れる。中には安徳天皇、二位ノ尼、大納言局、平知盛の4名が...。

とまあこんな感じなのだが、前半で私は意識が飛びまして...なぜか、平家蟹の描写だろうと思われるところで急に意識が戻った..。
碇潜 | 銕仙会 能楽事典

せっかく解説までしていただいているのに、ああもう何やっているんだろう。極上の雰囲気の中で意識が飛ぶのもある意味幸せなのだが、本当の意味でお能を楽しみたい、という気持ちがあるので、また機会を見つけていってみようと思っている。