東京鹿踊ライブ 「風とう鹿」@座・高円寺


東北地方に伝わる郷土芸能、「鹿踊(シシオドリ)」は、食料としての獣への供養や感謝を芸能にしたものだという。プログラムに、宮沢賢治の「鹿踊りのはじまり」のことが書かれていて思い出したが、この「鹿踊り」と、この「鹿(しし)踊り」が同じことを指しているとは、今更ながら気がついた。
このシシオドリだが、実は様々な種類があるということで、今回は岩手県一関市舞川に伝わる「行山流舞川鹿子躍」ルーツを持つ「東京鹿踊」と、岩手県奥州市胆沢に伝承されている「行山流都鳥鹿踊」という団体の踊りを比較する機会に恵まれた。両者とも「太鼓踊系鹿踊」という系統らしく、背中にささらという、白い紙で覆われた竹を背負っていたり、鹿の冠をかぶっていたりと、一見似ている二つの団体が、細かいところや特徴が違うのだ、ということを学んだ。

ちなみに岩手の鹿踊りは、廃絶したものも含めてざっと150ほどの団体がリストアップされていた。え、多すぎる...
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宮城県のものがだいたい50団体くらいか。

「鹿頭(ししがしら)」のツノの材質が必ずしも本当の鹿の角ではなかったり、頭には馬の毛がのせられていたり。


背中の「流し」にはメッセージやイラストが書かれていたり。

竹に白い紙を巻いた「ささら」は、踊り方によってつける角度が違ったり。

普段はちらりとしか見えない袴にちょっとおしゃれなデザインを見つけたり。

そもそも装束が重たそうだが、後ろに向かうささらの重みとお腹につける太鼓の重みでバランスを取っている、というのも発見だった。座・高円寺という舞台と客席の境目が薄い空間でこのような芸能が間近で見られて、楽しかった。今後は鹿踊りの見方がまた変わりそだ。

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