本気のおふざけ、好きだわぁ。PNSP (Pen-Nurisamo-Sampo-Pen) by 国立劇場

国立劇場がオフィシャル動画としてアップしたのは、和楽器を使ったPPAPのパロディ、その名もPNSP (Pen-Nurisamo-Sampo-Pen)。実は和楽器とPPAPのコラボという意味では、さだまさしさんの和楽器によるPPAP動画も観ていたのだが、私はこちらの動画をすごく気に入ってしまった。

まっさらな状態で感動したのは以下のポイント。
●そもそも世の中「パイナッポー」なのに、よく「三方」「塗り三方」という単語を見つけてきたなぁ…I have a sampo.ってなんか笑える。
●はじまりの能管がすでにカッコイイ。で、メロディになったら篠笛に持ち替えたのかな?
●おお、バックに流れるのは「元禄花見踊」!
●「ペンヌリサンポーサンポーペン」にいたるまでの間奏が、オリジナルの尺よりだいぶ長いけれどもひきつけられる。
●ペンと何かをくっつけるときに発せられる、ピコ太郎さんの「んー」と唄の杵屋佐喜さんの「ん」のニュアンスが微妙に違う。

感動して数日後、ソーシャルメディアでこの動画の解説が回ってきた。笛の藤舎推峰氏のコメントにより、アレンジの拝啓がみえてきた。本場のフレーズがこんなにたくさん取り入れられていた上に、唄も調子もきちんと長唄に則ったアレンジがされていたんだ。

(以下藤舎推峰氏のコメントより抜粋)
◉楽曲のアレンジ手法♫
楽曲については現場入りして関係者で意見を出し合いながら、三味線の東音塚原勝利さん、小鼓の藤舎呂英さんらリーダー格を中心に1時間半ほどの打ち合わせでアレンジを仕上げました。能楽由来の登場手法〈出端〉で始まり、長唄元禄風花見踊(1878年、三世杵屋正治郎作曲)』や『老松(1820年、四代目杵屋六三郎作曲)』などの代表的なフレーズを取り入れ、『二人椀久』などにある「踊り地」という三味線、大小鼓の見せ場などを作ってまとめました。くろごちゃんもその打ち合わせの中で動きを作っていました。唄については長唄の発声法、言葉運びに近くなるよう、杵屋佐喜さんが考えてらっしゃいましたよ。

動画コメントによると出演者は以下の方々。もちろん一流どころです。

唄 杵屋佐喜
三味線 東音塚原勝利、東音山口聡
笛 藤舎推峰
小鼓 藤舎呂英
大鼓 望月太津之
太鼓 藤舎呂凰

もともとは国立劇場ゆるキャラ、くろごちゃんのPRの意味合いもあったそうだが、演奏がすばらしすぎてくろごちゃんの印象、薄まってしまったよ…ごめんね。