NHKEテレで放映されている「にっぽんの芸能」の司会をしていた石田ひかり氏が番組を卒業をされるということで、石田さんが印象に残った放送をまとめて放映するスペシャル番組を観た。この番組、和楽器や邦楽、あるいは歌舞伎やお能の世界に少しでも近づけるような気がして、時間が合えばよく観ていた。
そんな中で、今まで見逃していて、かつひときわ印象に残ったのが、この「六斎念仏意想曲」という曲だ。作曲したのは、今藤政太郎氏。四世藤舎呂船と藤舎せい子という、囃子方の家に生まれ、藝大邦楽科を卒業、2013年には人間国宝に認定されている。この
「六斎念仏意想曲」は22歳の時に今藤氏がつくった処女作だという。
〆太鼓と桶胴太鼓? 種類がよくわからないが、とにかく2種類の異なる音域の太鼓を使って、激しく打つのだ。しかも〆太鼓は2対2で音程が少しだけ異なり、ティンパニーのようになっている。桶胴もちょっと音程が異なる気がする、これもきっと意図的なんだろうな。そして、長唄三味線が10丁以上で奏でる爆発的なはやびきがこれまたカッコイイ。ああ、もう自分の稚拙な表現力が恨めしいぞ。
というわけで、忘れられなくて動画サイトを確認したらあった! 今藤政太郎氏が自分のチャンネルをお持ちで、そこに自分の演奏会動画をアップしていたのだ。
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放映されていたのは、まさにこの時の映像だ。松本幸四郎氏と尾上菊之丞氏が出演しているものだった。(あとでみたら、センターで三味線弾いているのは、藤間勘十郎ではないか。この動画は、テレビでは放映されなかったアンコール部分まで含まれている。しかも、お客様に手拍子をお願いする際に、ウィーンフィルの「ラデツキー行進曲」を出してくるなんて、しゃれているではないか。
すごいな、お囃子と長唄三味線、両方の特性をよくご存知だからこういうアレンジの発想が生まれたのではないかしら。モダンなのにちゃんと古典。第三回の映像も観てみたが、微妙に演出が違う。
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ちなみに、六斎念仏とは、六斎日に行われる念仏のこと。六斎日とは仏教の思想に基づく斎日のひとつで、1か月のうち8日・14日・15日・23日・29日・30日の6日らしい。(あ、今日も六斎日だ)。有名なのが、昭和58年に国の重要無形民俗文化財に指定された「京都の六斎念仏」だということだ。
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なるほど、この篠笛のメロディを三味線がなぞっていて、太鼓も、座ったまま4名で異なる太鼓を使うようにして舞台で映えるようにしたのだろうか。
一度、「京都の六斎念仏」も「六斎念仏意想曲」も本物の演奏を観てみたい。今は新型コロナの影響でなかなか舞台も難しいと思うが、はやくこの騒動が落ち着きますように…。