熊本地震のチャリティということでこちらのイベントに行った。能は金剛流ご宗家、金剛 永謹氏による「羽衣」だったのだが、今回は「セマー」を能楽堂でやる、というのに強く興味を持った。
メヴラーナ旋回舞踊は、トルコの西アナトリアのコンヤを本拠地とするイスラム神秘主義教団、メヴレヴィー教団が行う宗教儀式として行われる舞踊だ。「回転が存在の絶対条件である」という科学的根拠に基づいた旋回で、羽織っているマントや床に敷いてある毛皮にも意味があるみたいだ。回転スタイルにもこだわりがあって、右手は空へ、左手は地を指して、右から左に回転するとか…。
狭い能楽堂の舞台を、旋回舞踊をする7人の男とネイやクドゥムを奏でる楽団員、合唱の人々が詰め込まれているのはある種異様な雰囲気だった。歌い手の声の美しさやエキゾチックな楽器の音、あんなにグルグル回っているのに回転が終わるとぴたっととまって動かないセマーゼン(旋回舞踊する人たち)、そして能楽堂らしく背景には松の木が。
機会があればぜひ一度、コンヤに行ってみてみたいものです。