2年連続で東欧で最大規模のギターフェスに出演したStochelo Rosenberg、ライブのフル映像。

ルーマニアの中部、トランシルヴァニア地方ムレシュ県の県都、トゥルグ・ムレシュという町で毎年行われている、東欧で最大規模の国際ギターフェス、"Harmonia Cordis International Guitar Festival"。第14回となる2019年は8月6日~11日まで開催されたそうだ。クラシックギターのみならず、ジャズギターのミュージシャンを招き、ソロ、デュオ、トリオ、カルテット…からオーケストラスタイルまででの演奏を紹介することで、ギターの魅力を紹介する、というのがこのフェスのコンセプトらしい。
ただし、最大規模とはいえ、開催当初はクラシックギターに特化していた雰囲気だった。それが、2015年には、アメリカのジャズ・ギタリスト、アル・ディ・メオラAl Di Meolaを招へいしたことにはじまり、2018年には、我らがストーケロ・ローゼンバーグStochelo Rosenberg率いる、The Rosenberg Trio (ただし、いつものNous'che Rosenbergではなく、実の弟Mozes Rosenbergと Nonnie Rosenbergの組み合わせ) が呼ばれたようなのだ。
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その公式ライブ映像がこちら。マヌーシュ・ジャズのラインナップでジャンゴの曲と自分のオリジナルを交互に演奏しているが、すっごく盛り上がっている! 最後は"Les Yeux Noirs"の素晴らしい演奏でキメています。

そして、今年もまた招へいされているのが判明した。ただし、今回は、ハンガリー出身、オーストリアで活躍するクラシック&ジャズギタリスト、Antal Pusztai と共演している。ちなみにトリは、フラメンコギタリストのヴィセンテ・アミーゴVicente Amigoだ。
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二人の共演ライブ映像を発見した。リズムギターはないので、マヌーシュ・ジャズの演奏ではドラマーがリズムを刻んでいる。ジャズギターが中心だが、Stocheloの演奏に違和感がないところがすごい。かっこいいなぁ。二人の演奏スタイルの違いが如実で、面白いライブ映像になっている。

このギターフェス、なんと入場料が無料らしい。なんという大盤振る舞いなんだろうか。いつか行ってみたいなぁ。

なお、余談だが、この開催地であるトゥルグ・ムレシュは、ルーマニア語ではTârgu Mureș(Tîrgu Mureș)だが、ハンガリー語ではMarosvásárhelyと呼ぶらしい。Harmonia Cordis関連のコンサートには、このまったく異なる地名が併記されているため、はじめはその意味がわからなかった。フェスを2つの都市で同時開催するのか、はたまた後に書かれているMarosvasarhelyは、ライブ会場の名前か何かだと思ってしまった。Wikipediaによると1850年当時、町に暮らす民族の8割がハンガリー人だったようだが、2011年は、ルーマニア人が5割以上、残りの約5割がハンガリー人という人口構成になっている。だから、きっと二つの民族の言葉を並列して表記する配慮をしているんだろうな。陸続きの国というのは、何かと複雑で大変そうだ…。