オランダ、ロッテルダムのライブハウスLloydで行われたResenberg Trioのライブ映像

オランダのラジオ番組、"Live Uit Lloyd"は、その名のとおり、オランダのロッテルダムにあるライブハウスにて行われるライブについて、オランダの放送局Radio Rijnmondが平日22時~23時まで中継する、というもの。
このライブハウスにて、われらがマヌーシュ・ジャズ界のトップスター、ストーケロ・ローゼンバーグStochelo Rosenbergが率いるRosenberg Trioのライブの様子が放送されたらしい。しかも今回は、メンバーであるヌーシュ・ローゼンバーグNous' Che Rosenbergとノニー・ローゼンバーグNonnie Rosenbergに加え、ローゼンバーグ一族の出身であり、"The Voice of Holland"というオランダの歌手コンテストで賞を取ることでシンガーとして一躍知名度を高めたジョニー・ローゼンバーグJohnny Rosenbergと、やはりストーケロの末の弟であるギタリストのモゼス・ローゼンバーグMoses Rosenberg も参加していた。

ジャズスタンダードのSo Whatはかなり面白いアレンジになっている。

おお、マヌーシュ・ジャズのスタンダード、"Webster"。


これは"Poinciana"だが、なんだかゴンチチの曲をマヌーシュ・ジャズに仕立てたようなさわやかさで好き。

もちろん、今やオランダで知名度のあるボーカリストでもあるJohnny Rosenbergの歌による演奏も。

素敵なライブを一部分でも遠方のファンに届けてくれる粋な計らいに感謝します!

週末ソウルでちょっとほっこり(下川裕治)

週末ソウルでちょっとほっこり (朝日文庫)

週末ソウルでちょっとほっこり (朝日文庫)

今年は韓国に二度行く機会があったので、そのディープな文化を知りたいと思って空港でこちらを購入。下川氏といえば、昔「12万円で世界を歩く」という本で旅魂を大いに刺激していただいたりしたので、文化のディープなところをつつくのではないかと期待した。
明洞から出てしまうと遭遇する、ハングル文化圏の「まったく何が書かれているか検討もつかない」ことに対する戸惑いなど、共感できるところが多い。一方で、たとえば「蒸しアンコウ」(〆はチャーハンらしい)、サンマの半干し「クァメギ」、「貝蒸し」、「クルポッサム(カキと茹でた豚と調味料をサンチュでくるんで食べる)」、うわさの発酵エイ「ホンオフェ」など、試したこともない食べ物が次々と紹介されていた。お酒でも、向こうの焼酎、ソジュにビールやらマッコリを混ぜて飲む現地スタイルとか、現地の人が飲むお酒「がんばれ父ちゃん」(日本語!)の話とか。Kポップの話、ジャージャー麺みたいな「チャンジョンミョン」や日本より魚介たっぷりの「チャンポン」に代表される「韓国中華」が存在する話、ソウルと風水の関係、温泉マーク宿のなぞ。
つきだし文化に対する遠慮の見せ方とか、「ケンチャナヨ精神」でけでなく「パルリパルリ(はやくはやく)精神」という、韓国の人のせっかちなことを示した言葉、英語教育が盛んな理由、家を借りるときの仕組みとか、勉強にもなる。次回韓国に行く機会があったら、週末を狙って「国立中央博物館」「ソウル歴史博物館」「韓国映画博物館」など行ってみたいな。Kポップファンが自腹で出す、アイドル向け誕生祝広告の存在もちゃんとチェックしてみようっと。

「島の美容室」のドキュメンタリー

来年はTraveler's noteをもう一度活用しようと思い、昔の旅行メモをあさっていたら、福岡耕造氏の写真集「島の美容室」の案内パンフレットを見つけた。沖縄の離島、「渡名喜島」に毎月10日間だけオープンする美容室の美容師と、そこを訪れる島の人たちの様子を納めた写真集だ。美容師は福田隆俊氏で、茨城県から通ってくるそう。島の人たちに信用してもらうまでにもドラマがあっただろうし、写真集にある人々の表情もいいな、なんて気になっていたのだが、ちょっと検索してみたら、なんとドキュメンタリー映像を見つけた。島と美容室の雰囲気がよくわかる。この美容室はもはや島の人々の憩いの場でもあるのだ。

最近は、福田さんが当初から望んでいた助っ人美容師さんも現れたようで、福田さんが多忙につき島に来られない月も美容室はオープンしているようだ。

渡名喜島かぁ…町並みもさることながら、米軍の射撃場があるというのもまた興味がある。一度行ってみたいな。
www.tabirai.net

渡名喜島 人口400人の島が物語る沖縄の歴史|トラベル|NIKKEI STYLE

クリスマス前夜の素敵な過ごし方。千代田フィルハーモニー管弦楽団 創立40周年特別演奏会

1976年に設立されたアマチュアオーケストラ、千代田フィルハーモニー管弦楽団の演奏会を聴きに、すみだトリフォニーホールに行ってみた。識者は和田一樹さんという方。「のだめカンタービレの指揮指導」ってなかなか面白い経験をお持ちだね…と友人と話し合う。
曲目はあの有名なチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲 第1番変ロ短調 作品23」。そして、ショスタコーヴィッチの革命(交響曲第5番 ニ短調作品47)。やっぱり4楽章かっこいいねー。
私の耳なじみのバージョンはバーンスタイン指揮によるものだが、それと比べるとテンポは多少落ち着いていたかな。やっぱりここまでテンポがあがるとかなり難易度が高いんだろうな…バイオリンの弓の上下の様子をみながら色々と思いをめぐらした。あとでこの曲の解説をみていたら、最後の長調の部分は「強制された歓喜」だという説があって、喜び組のような、心からの気持ちではなく国がそうさせる…みたいな気がして切なくなるのだが。

グランドハープの音色にうっとりしつつも金管楽器をやっていたので、金管セクションが活躍する曲はうれしい。でも今回はとくに責任重大なティンパニーと鉄琴?に心を奪われてしまった。かっこいいな。

アンコールは、指揮者がおもむろにサンタの帽子をかぶっていらっしゃったと思ったら、Leloy Andersonの"A Christmas Festival"。今の時期にぴったり。

アンダーソン大好きな私は、「そりすべり」を聴くとクリスマス気分になれるのだが、クリスマス曲のメドレーもいいね。うれしいアンコールサプライズに大満足。

Happy Christmas!!

ショート・ターム

Short Term 12、Destin Daniel Cretton監督、2014年、米

ショート・ターム12は、家庭に問題をかかえる子供を集めた児童保護施設。ここで働くスタッフのグレイスは、やはり同じスタッフで、里親に育てられた青年メイソンとお付き合いをしているが、自分の過去のこともあって次の段階に踏み切れず悩んでいる。この施設の子供たちは問題行動が多く、すぐに逃げたり自傷をしたり、人形が手放せなかったり…。
そんななか入所してきたのは、クールな少女ジェイデン。色々な事件が発生するなか、グレイスは彼女と話をするうちに、自分と彼女の境遇が似ているのではないか、ということに気がつくのだった。
普通のティーンネイジャーに起こるできる出来事としては、厳しすぎる。でも、その厳しさを間接的な映像でうまく描き出していた。また、ネイトという、たぶん恵まれた暮らしをしていていたであろうスタッフや所長の存在との対比により、グレイスのような虐待経験者ならではのスタッフの優しさがうまくにじみ出ていた。良作。私は好きだな。

サンシャイン・クリーニング

2009年、クリスティン・ジェフ監督、米、Sunshine Cleaning

かつてチアリーディングの花形だったローズは、今はシングルマザーとしてオスカーを育てながらハウスクリーニングで働く、さえない生活。挙句、地元の警察官の男と不倫に走る有様だ。その妹のノラも気性の荒さが災いして無職となり、父親とすさんだ暮らしをしている。オスカーは問題行動ばかり起こして不登校になっている。そんななか、ひょんなことからお金が必要となったローズは、事故や事件の現場の清掃の仕事をすることになる。血まみれの現場、蛆虫…決して気持ちのよい仕事ではないが、いつしかローズはその仕事が好きになってくるのだった。本格的にプロフェッショナルとしての勉強もして、ローズは現場清掃の会社を立ち上げる。その名前が"Sunshine Cleaning"。
かつての華やかだった同級生にその自慢がしたくて、ローズは同級生の子供が生まれたお祝いであるBaby Showerに行く。その間に、ある事件が起こるのだった…。
登場人物がどの人もなかなかのダメ人間なのだが、それが人間らしくていい。そして、いつもつくづく思う。ダメ人間っていうのは、やさしすぎてダメなのだ。パートナーを自殺でなくしたおばあさんに寄り添ったり、遺体のある家の遺品から、死んだひとが愛されていたか、とか死を知らせるべき遺族がいるかどうか探ろうとしたりして、その危うさにハラハラする。本当は現場清掃の仕事をする人は、もっと心を無にしてやらなきゃつらいのではないか、と思ってしまう。
この映画はアメリカ映画っぽく、失敗した人にチャンスをくれるところがいいな、と思った。

きになるき@円山町はお酒フレンドリーな料理がたくさん!

渋谷、円山町。道玄坂をのぼりきったあたりの雑居ビルの地下にこのお店はある。入り口は女湯ののれんが迎えてくれる。ここがうわさの「きになるき」だ。カウンターのみ9席ほどのキャパで、ご亭主が一人で料理をしながらおもてなしをしてくださる。料理を開始するのは、全員がそろっていることが必須だ。予約は「17時~19時の間から、21時まで」と「21時15分~」という2チャンスのみ。お値段はたしか6,000円くらいだっただろうか。お客様に常連さんが多いせいか、店内は和気藹々とした雰囲気だ。


この日のスターターは「あん肝味噌」から。大根と合う味。みその中にあん肝がたっぷり入っていて、すっごくおいしい。この味噌だけで何杯ものめそうなやつだ。その後はお醤油ではなく出汁でつけたイクラに、サバフグの煮付け。出汁アボカド、牡蠣と牛肉、酢牡蠣、塩で食べるエイジングマグロ、あん肝つくね、そして〆は青さのりと桜海老のパスタ…ごまがたっぷりでおいしかったです。

こちらもともと飲み放題がついているのと、お料理がとくにお酒好きに響くものということで、飲める向きにこそおすすめだ。毎回行くたびに新しい料理にも出遭えそうなので、また行ってみたい。