深夜特急5 〜トルコ・ギリシャ・地中海〜(沢木耕太郎、著)

深夜特急〈5〉トルコ・ギリシャ・地中海 (新潮文庫)

深夜特急〈5〉トルコ・ギリシャ・地中海 (新潮文庫)


昔かなりハマった紀行文。電車を乗り過ごすほど没頭したっけ。
そうだそうだ、これもトルコを通過していたなぁと思い、5だけ再読してみた。村上春樹氏の紀行と同じ、トルコとギリシャの旅が5巻の中心だ。ただ、村上氏と違って沢木氏の旅は継続性があるため、ギリシャパートにもトルコを回顧するシーンが出てきたりする。

旅も後半にさしかかっているのだが、明確な終わりがないなか、主人公が唯一目的をもってある人物に会うのが、トルコのアンカラ。また、イスタンブルでは、珍しく観光名所も訪問している。食事もバラエティ豊かでおいしく、親切な人とばかりと出会っている。沢木氏にとっては、決して悪い国ではなかったと思うのだが。

最近バックパック旅とはご無沙汰だが、話の中に、安宿で「禅」について問われるも、うまく答えられなかったエピソードを見つけ、懐かしさを感じた。まったく同じ経験をして恥をかいたことがあったっけ…。深夜特急を読むと、またバックパッカーになりたい衝動に駆られる。旅の魅力は人との出会いであり、バックパック旅のほうが出会いが豊かなような気がするのだ。