(The King's Speech、2010年、Tom Hooper監督、英・豪)
英国王ジョージ5世の息子ヨーク公アルバート王子は、幼い頃のトラウマから発症したらしい吃音が悩みなのだが、公務の関係上スピーチを行うことは避けられない。というわけで、吃音を克服するために色々な医者にかかるものの、その治療法が合わずに治療を断念する日々が続いていた。
状況に胸を痛めたエリザベス妃が見付け出したオーストラリア出身の言語聴覚士ライオネルと、後にジョージ6世として英国王に即位し、第二次世界大戦に向かうなか国民に対するメッセージを見事にこなし、国民の信頼を得た、アルバート王子の治療の記録。よくまとまった作品に仕上がっていたなぁ。予告編ができすぎでは? これだけであらすじががっちりつかめてしまいます。
コリン・ファースやライオネル役のジェフリー・ラッシュはもちろんのこと、エリザベス妃役のヘレナ・ボナム=カーターがとてもよかった。お妃としての気品や気高さと知性、王子だけに見せるチャーミングさ、王子を支える献身的な姿、王女の母としての姿勢を見事表現できていたように思う。日本版の映画ポスターには、彼女の姿もみえるは、その存在感を認められてのことかしら?