Don't Go Breaking My Heart(単身男女)

(2011年、香港、Johnnie To and Wai Ka-Fai監督)
ジョニー・トー映画に珍しいラブコメディ。主役は、Gao Yuanyuan演じる蘇州出身の優秀な金融アナリスト、Chi Yan程子欣。7年尽くした彼氏にフラれ、朝からちょっとヤケくそ気味なところに、建築家ながら発想に恵まれず飲んだくれているDaniel Wu演じるKevinこと方啓宏に救われる。方は子欣との出会いをきっかけに新たな建築デザインのアイデアを得ることができ、成功を収める。そして、同時に子欣のことを想い続けるのだ。
一方、お馴染みのLouis Kooは、エリート金融企業のCEO張申然Seanとして、ある高層ビルの一角に勤務しているが、ビルの窓越しに子欣に一目ぼれ。窓越しに付箋で絵を書いてみたりメッセージを掲げたりして、デートにこぎつけるのだった。
ところが、リーマンショック後、彼らの枠組みは変わりはじめる。子欣は最終的にどちらとの恋を成就させるのか、あるいは成就させないのか。ヒキガエルは、けっこう大きなカギを握っているのかも?
ブコメの王道感は、ウォン・カーワイあたりの映画を思い起こさせるが、銃撃戦なくともジョニー・トーの匂いは至るところにあると思う。音楽の入り方なんかも、ちょっとトー作品の「文雀」あたりを思わせる。
ああ、何と言っても、ラム・シューの出演をみれば、それだけでジョニー・トー組の作品だといえるかもしれない。

Gao Yuanyuanのコメディエンヌぶりは秀逸で、ホレます。