(シェリー・ホーマン監督、2009年、ドイツ・オーストリア・フランス、Desert Flower)
実話を元にした映画をやっとみることができた。DVDではあるが。映画のはじまりはソマリアの遊牧民の暮らす場所のシーンからはじまる。主人公のワリス・ディリーは少女なのにお金のために老人と結婚させられそうになり、首都モガディシュまで命からがら逃げだす。そこからどうにかロンドンまで行くつてをたどるも、ソマリア内戦をきっかけに暮らしを失う。そんなどん底から、さまざまな困難を経てトップモデルとなったワリスの成功物語…という側面とともに示唆されるのが、アフリカ各地で続くFGM(Female Genital Mutilation=女性器切除)の問題だ。実際にワリスは、自らFGMの問題に訴えかけ、国際社会に一石を投じた。その結果、FGMを法律上廃止する国も出てきたそうな。ただし、現在でもアフリカ移民を抱える国家では、FGMを行う親があとをたたないとか。命の危険、そして生涯の苦しみが伴う伝統は、やはりどうにかしてあげないといけないと思ってしまった。
映画で描かれるワリスは本当にピュアで、成功やその美貌を鼻にかける様子はみじんも感じられない。もちろん「映画だから」といってしまったらそれまでだが、歩んだ人生の過酷さが彼女をそうさせるのか。マリリンとの友情は、映画の中でとくによくアクセントになっていたように思えた。
それにしてもワリス役を演じたリヤ・ケベデ(エチオピア出身らしい)の美しいこと。実在のワリスとも似ているようにみえた。
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2011/12/07
- メディア: DVD
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