ジュリエットからの手紙


(Letters to Juliet、米、2010年、Gary Winick監督)
長い間国際養子縁組に取り組んできた団体、日本国際社会事業団(ISSJ)のチャリティ映画上映会は、毎度上映する映画のセレクションが素晴らしいのだが、今回は失敗だろう…なーんて思っていたら、杞憂に終わった。
イタリアのヴェローナに新婚旅行に来たソフィーだが、レストラン開店準備中のフィアンセであるビクトルは、自分のことにいっぱいいっぱい。そんななか、一人でヴェローナにある、あの有名な「ロミオとジュリエット」のジュリエットの生家を訪れたソフィーは、恋の悩みをつづるたくさんの手紙に返事を書く「ジュリエットの秘書たち」に出会い、手伝うことに。そして、あるい英国女性が書いた50年前の手紙に返事を書いたら…という内容。
この英国女性クレア(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)が本当に素敵なおばあ様でいいなと思った。ビクトルは軽々しくて観ているだけで腹立つ感じのフィアンセ、ソフィーはいかにも記者気質の典型的アメリカっ子。しかも、舞台はイタリアなのに、気が付けば登場人物みんな映画が流暢という、英語帝国主義的な感じ…というわけで、あまり好きになれない映画かなぁと思いきや、意外に泣けてしまった。現実感はないけれど、とにかく爽やかな映画。