第7回UNHCR難民映画祭UNHCR Refugee Film Festivalに行ってきた。イタリア文化会館で行われたオープニングは盛況で、しかも元国連難民高等弁務官の緒方貞子さんが開会の辞を述べるなど、華やか。
映画は、アンジェリーナ・ジョリーの初監督作品しかも日本初上映ということで、注目を浴びていたようだ。
1992年〜1995年の期間のボスニア紛争の最中出逢った、セルビア系軍人の男ダニエルと、ボスニア系のアイラ。セルビア勢力が支配を強める中、ボスニア系住民への圧力や暴力が横行していた。そんななか、ダニエルは性的暴力がはびこる収容所内でアイラを守ろうとするが…。
ボスニア紛争というのは、セルビアが悪者でボスニア系がしいたげられていた、という構図が欧米諸国によって広められたといい、それによってセルビアサイドには援助や救援がまったくなかった、ときいた。被害に遭ったのはボスニア側だけでなくセルビア側の民間人も同等だと思う。
この映画は、やはりセルビアの軍人の悪行にフォーカスが置かれており、(ボスニア系の狡猾さを話に含めることで、監督が必要以上にセルビアサイドを悪く見られぬようある程度努力したことは認めるが)違和感を感じる人もいるのだろう。YouTubeのdislikesの数がハンパない。
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戦争描写が部分的に大変リアルな本作品ではあったが(急な爆破シーンには思わず声を上げてしまった)、どうも二人の恋愛部分は大変にロマンチックというか幻想的というか。こんなに激しく人々が憎しみ合っているなか、本当にこんなことがあったら、ダニエルの軍幹部という立場なぞ3年も持たないと思った^^;
こんなことを思ってしまう私は、醒めているのか…。もとい、登場人物が英語を話している点で、すでにフィクションだから、いいのか…。