Lost in Siberia


2012年、独、Raif Huettner監督、Ausgerechnet Sibirien
ドイツの物流会社に勤めるマチアスMatthiasが主人公。離婚したばかりの、さえているとはいいがたい男だ。彼がひょんなことからシベリアのケメロボKemerovoという町に出張に行くことになる。そこでドイツ方式での仕事を教え込もうとするも、どうもらちが明かない。通訳は適当だし、マチアス自身も、彼らの文化に入り込もうという気概はない。踊りも踊らなきゃパーティーも拒み、トマトも食べない、など。
でも、サヤナSajanaというホーミーの歌い手のパフォーマンスをみて、惚れ込んでしまう。サヤナの楽屋に押しかけCDをもらって…マチアスはサヤナのことが忘れられなくなり、とうとう彼女が住まう南シベリアの地に向かうのであった。
はじめはLost in Translation的な部分も多々あったし、ストーリーだけ書くと実に陳腐だ。でも、これが意外にいい映画で、ユーモアの入り度合もよくて、好ましく感じた。
Sajanaはいわゆるシャーマンの家の出ということだが、つつましくみえる中に情熱を感じる人で、マチアスとの対峙がなかなかおもしろい。またマチアスも、そして通訳の(名前忘れた)彼も変わっていく。マチアスの変化が回りにもいい変化を与えていくような、そんな前向きなストーリーになっている。映画内のサヤナとその娘、シャーマンのおばあさんもとても魅力的だ。
ところでこの映画、英語字幕で観たので、Tuvaというのが、あのトゥバなのかあまり自身がなくて、帰国後ちょっと調べてしまった。そもそも、ホーミーというかいわゆる喉歌というのはモンゴルのものだとばかり思っていたのだ。
そんなトゥバや喉歌のことはこちらのサイトで少し知ることができる。
トゥバ・喉歌について フン・フル・トゥ Huun Huur Tu - Harmony Fields