（2012年、John Madden監督、英・インド）
リタイアの時期を迎えた英国男女6人は、夢を求めて、あるいはやむなき事情で、インドのジャイプールにある"高級"レジデンスであるホテルへ移り住むことを決めた。ところが、「高級」だったはずの終の棲家は、完全なる異国だった。暮らしを楽しむ者もいる一方で、外の世界や食べ物に耐えられず閉じこもる人も。それぞれの葛藤がはじまる…。
有名映画に出演しているような名女優陣がそろいすぎていて、彼女たちとその役柄が一瞬結びつかず混乱したが、よい映画だった。壮年男女の行く末と並行して、ホテルオーナーである青年の葛藤も描かれており、これがまた物語によい刺激を与えている。インドの街並みもいい。Murielという偏見だらけのおばあさんが、だんだん地の暮らしに馴染んでいって徐々に変化していき、最後はホテルを救うようなことになるその潔さが気持ち良かったり、Evelynのように独り身になってから、新たな暮らしを見つけていく強さや異国文化になじむたおやかさと知性や品性にあこがれてみたり。
日本で上映されるといいな。
