- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2010/04/21
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甜蜜蜜,Comrades, Almost A Love Story,1996年,香港、ピーター・チャン監督
公開された当時から観たかった映画をやっと鑑賞できた!
舞台は返還前の香港。レオン・ライ演じるシンクァンは、唯一の親族の叔母を頼って大陸から香港にわたってきた。マクドナルドで出会ったのは、マギー・チャン演じるレイキウ。実は大陸出身なのに香港人らしくふるまい、ひたすら仕事に励むレイキウと、シンクァンは、テレサ・テンの歌が好きであることをきっかけに惹かれあうも、シンクァンには故郷に恋人が。
惹かれあうもすれ違う二人の関係は、シンクァンが故郷から恋人を呼び寄せ結婚し、レイキウがマフィア(これを演じているのが、トー映画にもでてくるエリック・ツァンなんだなぁ、ハマり役)と一緒に暮らし始めることが終わりを告げたかのように思えた。しかし、2人の関係は香港からNYに舞台を移し、なおも続く…。
人の心をとても繊細に書いているのがとても印象的だった。惹かれあうけれども迷っている二人の関係を示す情景として、寒いであろうことをいたわって着せるコートのボタンはなかなかはまらないのに、燃え上がった二人が薄着になるのが一瞬だったり。彼女を思って入れる刺青のモチーフに選んだアイテムだったり。
冒頭部分も、「なるほどなぁ」と目からうろこ。
とげとげしく肩肘を張っていた頃から、時とともにやわらかくなっていったり、彼女が気丈ななかにみせる涙だったり、強がりだったりが表現できるマギー・チャンの演技は、本当に素晴らしい。
邦題の理由も、テレサ・テンの曲が頻出することを考えれば納得。
ピーター・チャン監督はタイ、NY、香港で暮らしていたことがあるとのこと、そんな彼の文化的要素は間違いなく映画にすべて込められているなぁと思った。