今年は6月28日~7月15日までの日程で、フランスはイゼール県、リヨンから南に30キロほど下ったヴィエンヌVienneという町において、"Jazz à Vienne 2016"が開催されていた。18日間にわたって1000人ものアーティストが参加、200のコンサートが開催されるというフランスでは大きなジャズイベントだ。
ジャズ界のそうそうたるメンバーに混じって、当然マヌーシュ・ジャズもプログラムにきちんと組み込まれている。今年の目玉は、こちらだろう。ビッグバンド"The Amazing Keystone Jazz Big Band"によるジャンゴ・ラインハルトのレパートリー演奏だ。
イベントのアーティストコーディネーターも一押しの企画だ。もっとも、「ジャンゴの音楽がビッグバンド編成で演奏されたことはない」という点に関してはちょっと疑問を感じるが。だって、ヨン・ラーセンJon Larsenとかビレリ・ラグレーンBiréli Lagrèneがすでにやっていたよねぇ。
ただこのビッグバンドがすごいのは、ストーケロ・ローゼンバーグStochelo Rosenbergにアメリカのサックス奏者ジェームス・カーターJames Carter、トロンボーンのオデンソン・ロランOdenson LAURENT、それにアコーディオンのマリオン・バドイMarion Badoiも参加していることだろうか。マリウス・アポストルMarius Apostolの名前もクレジットされていた気がしたが、バイオリンはいないようだ。
コンサートのシーンからみるに、相当盛り上がったのだろう。
ちなみにこのライブが開催された7月6日は、はリヨンで活躍するマヌーシュ・ジャズバンド、Minor Singも出演したようだ。そして同日の夜はジェームス・カーター・トリオがジャンゴの音楽のレクチャーをするようなイベントもあったとか。ジャンゴ祭りの日があるジャズフェスなんて、さすがフランスだわ、と思った。