イタリアのジャズフェス"Jazz & Vento"のメインアクトとなったビレリ・ラグレーン

イタリアの南部、いわゆるイタリアのブーツのつま先の部分に位置する町コルターレCortaleでは、毎年夏に"Jazz & Vento"というジャズイベントが開催されている。

f:id:asquita:20160929131415j:plain

今年で13回目の開催となるフェスの注目アーティストは、ビレリ・ラグレーンBireli Lagreneでしょう。メンバーはリズム・ギターにHono Winterstein、サックスにFranck Wolf、ベースにWilliam Brunard。ごりごりのマヌーシュ・ジャズを聴かせてくれたようだ。


ちなみにビレリ・ラグレーンモントルージャズフェスティバルにも出演しているのだが、こちらではピアノのAntonio FaraòやベースのIra Coleman、ドラムのLenny Whiteとともに、正統派ジャズを演奏している。こちらも素晴らしい演奏だ。

多才なビレリがフェスごとに色々な顔を魅せてくれるのはファンにとってうれしいこと。これからも一つのジャンズに寄らずにパフォーマンスを魅せてほしいと思うのだ。

JERSEY BOYS@PARIS, Las Vegas


ベガスで今話題のミュージカル、という話だったので、Parisというホテル内の劇場にJersey Boys(ジャージーボーイズ)を観に行った。60年代に活躍した、ザ・フォーシーズンズThe Four Seasonsという4人組グループが題材になっている。主人公はニュージャージー出身、グループのボーカリストであるフランキー。恵まれない暮らしから、声を武器にどんどん成り上がっていく彼らのレパートリーは、「シェリー」「君の瞳に恋してるCan't Take My Eyes Off You」など、私でも知っているようなメジャーなものばかりで、歌にすっかり魅了されてしまった。彼らが活躍していた時期に青春を送っていた人たちにはさらにストーリーが響くみたいだ。
私にとって厳しかったのは、メンバーそれぞれの歴史の合間に、ジョークがたくさん挟まっていることだ。話の流れを追うことができても、これらのギャグを理解するのは難しく、他の観客が大笑いしているのに笑えないのはとっても残念だった。はぁ、劇中のギャグがすべて理解できる、高い英語力がほしいです…。

Jersey Boys Las Vegas

なお、このミュージカルを観る直前に、私が知っている"Oh! What a night."という曲がフォーシーズンズのものでると知ってびっくりした。詳しくはこちらでどうぞ。
asquita.hatenablog.jp


ちなみにミュージカルの劇場があったParisはフランスの風景を再現していて興味深かった。エッフェル塔の足元にメトロの入り口などがあって。ベガスってすごいところだな。

パクチービレッジ@新宿

靖国通り沿いのケンタッキーの入っているビルの8Fにあるパクチー専門店、パクチービレッジに行ってきた。店内はタイ屋台風のインテリアで、これはこれでかわいい。


さっそくパクチーメニューを頼みまくってひたすら食べる。追加パクチーは150円でお代わり自由とのことだ。何の料理もパクチーまみれにできるという意味で魅力的だ。

私たちのオーダー方法のせいか、ちょっとドンとしたメインみたいなものがあまりなかったのは残念だったかな。でもパクチーの質はよくて、どれもこれも美味しくいただいた。
一番度肝を抜かれたのは、パクチーサラダかな。こんなデコレーションはみたことがない。

Harvest by Roy Ellamar リターンズ ~ラスベガスのご飯は美味しい。その②


先日、ベガスでこちらのお店にいって大変気に入ったのだが、せっかくなので再度チャレンジしてみた。
asquita.hatenablog.jp


今回はロブスターでなくホタテをゲット。でも結論は…やっぱりロブスターがおいしい!ということ。ちなみに、用意があれば「特大サイズ」のロブスターも準備してもらえます。お値段は95USDと通常サイズの二倍はするが試す価値ありだと思う。


サイドディッシュは安定の美味しさだ。ナンとディップ、アンチョビポテト、シュリンプフライ…。

というわけで結論。Harvestに行ったらロブスターを食べるべし!

決してコメディじゃない! 「リアリティー」

2012年、イタリア・フランス、Reality、マッテオ・ガローネ監督

舞台はイタリアのナポリ。魚屋を営む男ルッチャーノは、暮らしのために魚屋以外の仕事もこなしながら、生活をしている。ある日「ビッグブラザー」という、素人を巻き込んだリアリティ番組のオーディションが街のショッピングモールにやってきた。家族や友人にけしかけられて、ルッチャーノは予選オーディションを受けることに。そして、無事オーディションにこぎ付けるのだった…
ところが、いざオーディションが終わってみると、ルッチャーノの中では自分が優勝したイメージが膨らんでいく。周りにいる見覚えのない人たちが、すべて自分が番組出演にふさわしいかをひそかにチェックしに来た番組関係者と錯覚してしまい、きちんとふるまわなければ…という強迫観念にとらわれるようになる。そして、急に浮浪者に愛想よくふるまったり、家のものを無料で分け与えたり、魚を破格の値段で提供したりしはじめるのだ。オーディションで優勝するために…。

映画の説明に「コメディ」だと書いてあったが、これはまったくコメディではない。「あれ、もしかしたら…」というようなちょっとした思い違いをするとしても、ここまでくるとちょっと病的で痛々しい。家族も巻き込まれてしまって、これはいい妄想ではない。そして彼をこのようにしたのは、周囲の人々のちょっとした善意や悪意のせいでもあるのだ。ルッチャーノの妄想がひどくなるにつれ、観ているこちらも苦しくなってしまった。

とにかく主役の歌が良い! 「ベトナムの怪しい彼女」


Phan Gia Nhat Linh監督、Em la ba noi cua anh / Sweet 20、2015年

ちょっと性格のキツそうな典型的な姑おばあさん。あることがきっかけで家出をしたら、ひょんなことから20歳に若返った!? では、与えられた二回目のチャンスでどうやって人生をやり直そうか…。
主役の Miu Leさんがすでになんとなく大人っぽいというか渋い感じだったのが、違和感なくおばあさんっぽい若者を演じることができていた。第一印象はそんなにかわいいと思わなかったけれども、だんだんかわいく見えてくるのが不思議なところだ。日本でいうふせえりさんのようなコメディエンヌは、ときにオーバーすぎてToo muchなところもあるが、最後の方でベトナム戦争にかけておばあさんの過去の境遇や苦労の話をされてしまうと、どんな非道なこと生きるためには仕方なかったんだ…と思ってほろりときてしまった。そして、映画はあらゆる出演者のトホホなコメディを覆すほどの感動に変わっていくのだ。魔法にかけられた感じというか、狐につままれた感じというか。

それにしてもこの映画、ずーっと既視感があったのだが、後で気が付いた。昔、韓国版を観たことがあったんだった。予告編を観てみたが、けっこう忠実に再現されている気がした。それこそ、主役がかぶっている水泳用の帽子まで!

www.youtube.com

こちらは怪しい彼女の4カ国比較版。中国の主役の方の顔が一番好みだな。日本の多部未華子嬢もコメディエンヌぷりがよさそうだ。

シンプルで奇想天外な話は、どんな国でも人気を博するのかもしれない。エンタメ天国の韓国、素晴らしいね。

アイビス社の広報担当者に注目したい映画「マネーモンスター」

2016年、米国、ジョディー・フォスター監督、Money Monster

高い視聴率を誇る、財テク番組マネーモンスターは、リー・ゲイツが市場を読み解き、今投資すべきオススメの株を視聴者に紹介する番組だ。しかし、この番組で強く推奨されたある株を買ったことで全財産を失ったある男が番組をジャックする。リーに爆弾が仕掛けられたベストを着用させて…。果たしてこの状況からどうやって抜け出すか。そして、ある株が大暴落した背景には、公式発表とは異なる、ある仕掛けがあったのだった…。

こちら、あのジョディー・フォスターが監督ときいていたから一度観たかった作品だった。番組MCとして表に立つのはジョージ・クルーニー演じるリー・ゲイツだが、すべてのお膳立てや仕切り、そしてスタッフの安全確保に至るまで、有能プロデューサーのパティを演じたジュリア・ロバーツがキーパーソンである。頭が切れる役回りでまったく飾り気がなくてもカッコイイと思った。

さらに、問題を起こした当事者の企業広報女性のダイアンには注目だ。このCCO(Chief Communication Officer)は美しくてそつないが、どうも会社の中の扱いは「お嬢ちゃん」扱いで、しかも社長の愛人みたいな扱いなのがちょっと気に食わない。Corp comms先進国のアメリカでも美人広報扱いか、とちょっと失望しかけた。テレビ出演もスクリプトが準備してあって「お膳立て通りにお願いね」というところも、ちょっとどうかな…と疑問に思ったりしたのだが、最後の巻き返しがすごい。パティとタッグを組んで、自分を引き立ててくれた社長に真実を語らせるべくお膳立てをすると同時に、自身でも真実を知るべく社内調査を進めていくのだ。広報担当たるもの、やはりこうでなくっちゃ。

トレーディングシステムのアルゴリズムが暴走した理由を"due to the glitch."と一言で片付るような回答でメディアも納得してはいけないのだ。報道発表をそのまま垂れ流すメディアに対する皮肉も盛り込まれていたのではないかしら、この映画は。そして何と言っても、女性出演者が実はみんな主役として存在感がある映画だった。