ベガスで今話題のミュージカル、という話だったので、Parisというホテル内の劇場にJersey Boys(ジャージーボーイズ)を観に行った。60年代に活躍した、ザ・フォーシーズンズThe Four Seasonsという4人組グループが題材になっている。主人公はニュージャージー出身、グループのボーカリストであるフランキー。恵まれない暮らしから、声を武器にどんどん成り上がっていく彼らのレパートリーは、「シェリー」「君の瞳に恋してるCan't Take My Eyes Off You」など、私でも知っているようなメジャーなものばかりで、歌にすっかり魅了されてしまった。彼らが活躍していた時期に青春を送っていた人たちにはさらにストーリーが響くみたいだ。
私にとって厳しかったのは、メンバーそれぞれの歴史の合間に、ジョークがたくさん挟まっていることだ。話の流れを追うことができても、これらのギャグを理解するのは難しく、他の観客が大笑いしているのに笑えないのはとっても残念だった。はぁ、劇中のギャグがすべて理解できる、高い英語力がほしいです…。
さらに、問題を起こした当事者の企業広報女性のダイアンには注目だ。このCCO(Chief Communication Officer)は美しくてそつないが、どうも会社の中の扱いは「お嬢ちゃん」扱いで、しかも社長の愛人みたいな扱いなのがちょっと気に食わない。Corp comms先進国のアメリカでも美人広報扱いか、とちょっと失望しかけた。テレビ出演もスクリプトが準備してあって「お膳立て通りにお願いね」というところも、ちょっとどうかな…と疑問に思ったりしたのだが、最後の巻き返しがすごい。パティとタッグを組んで、自分を引き立ててくれた社長に真実を語らせるべくお膳立てをすると同時に、自身でも真実を知るべく社内調査を進めていくのだ。広報担当たるもの、やはりこうでなくっちゃ。
トレーディングシステムのアルゴリズムが暴走した理由を"due to the glitch."と一言で片付るような回答でメディアも納得してはいけないのだ。報道発表をそのまま垂れ流すメディアに対する皮肉も盛り込まれていたのではないかしら、この映画は。そして何と言っても、女性出演者が実はみんな主役として存在感がある映画だった。