Les Doigts de l'Homme、パーカッショニストを迎えたニューアルバムを4月末にリリース

2013年に出したアルバム、"Mumbo Jumbo"から4年…。Les Doigts de l'Homme(LDDLH、レ・ドワ・ドゥ・ロム)がいよいよ4月28日にニューアルバムを出すようだ。タイトルは、"Le coeur des vivants"って暮らしの中心とかそんな感じの意味だろうか。
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リードギターの凄腕ギタリスト、オリヴィエ・キクテフOlivier Kikteffにやんちゃなリズムギター、ヤニック・アルコセル
Yannick Alcocerとブノワ・コンヴェールBenoit Convert、そしてベーシストタンギ・ブルムTanguy Blum…とここまではいつものメンバーなのだが、今回のアルバムにはパーカッションにナジム・アルーシュNazim Alloucheという人を迎えている。カホン、という打楽器を導入しているところが、その新しいところだと思う。
最近、France 3の番組、"Le Backstage"に出演し、ニューアルバムから3曲ほど披露したようだ。

この放送局はローヌアルプ地域圏を中心に活動していることから、地元ミュージシャンとしてLDDLHを取り上げたのだろう。良い映像だ。どれもオリジナル曲なのだろう。ちょっとフラメンコみたいな、エスニックな要素が強いメロディだが、ちゃんとLDDLHらしさを保っている。

iTunesでも購入できるようだ。

Le cœur des vivants

Le cœur des vivants

  • Les Doigts de l'Homme
  • Jazz
itunes.apple.com

今年5月16日にはフランス、パリのジャズクラブNew Morningでもライブをやるそうなので、その様子がまたTSF Jazzあたりで見られるのではないだろうか。LDDLHの活動がしばらく活発になると思うと、ファンとしてはうれしい限りだ。

ビストロパクチーズ@恵比寿でパクチー三昧


元同僚とのご飯会。
「何食べたい?」「パクチー!!!」というわけでやってきました、このお店。お店の名前からして、パクチーがたくさん食べられそう。



メニューはこんな感じ。基本的に全メニューにパクチーが入っているが、チェックマークがついているものについては、パクチーがのっている状態のものなので、嫌いな人でも楽しめるメニューということのようだ。

乾杯はパクチーモヒートとパクチービール。モヒートは、ただパクチーが入っているだけ、というタイプのものだった。やはりきちんとパクチーの成分が飲み物に溶け込んでいるタイプのパクチーモヒートにはなかなかお目にかかれない。一方のパクチービールは、色が全体的に緑! 美味しかった。他にもいくつかパクチーものの飲み物がメニューにあったが、飲み放題だとパクチー系は試せないとのことだった。

食事は、コールドアペタイザーを大目に頼んでみた。青パパイヤのサラダ、ガーリックジンジャーシュリンプ、ピータン豆腐、えびワンタン。どのお皿にも十分な量のパクチーがのっかっているので、追加注文の必要はなさそうだった。ちなみに追加パクチーは200円…とかいてあったが、どれくらいの盛りなのかはよくわからなかった。ちょっとしたツマミだけで十分満腹になってしまい、パクチーをあしらったスイーツを食べて食事を終えたのだった。

パクチー爆盛り、というほどではないが、十分にパクチーを堪能ができて、そしてどれも美味しかった。ついついメニューのチェックマーク付きのものばかり注文してしまったが、あとになって、逆にチェックマークのついていないものを頼んだほうが、より食材とパクチーのコラボレーションが楽しめたのかもなぁ、と気がついたのだった。また来てみようっと。ちなみにピータン豆腐はパクチーソースが濃厚にからんでいてかなり気に入りました。

あのジャンゴ・ラインハルトが主人公の映画"Django"がとうとう公開!!

ベルリン国際映画祭」で、あのジャンゴ・ラインハルトを題材とした映画がオープニングに上映されるときいたときは驚いたものだ。以前、「ジャンゴ 繋がれざる者」という映画がジャンゴ・ラインハルトに関係ない西部劇だったことがあったので、「今回は間違いじゃないよね」と慎重に内容をチェックしてしまった。
asquita.hatenablog.jp

あれから3カ月ちょっと。4月26日から、Etienne Comar監督の"Django"は、いよいよフランスで公開されるようだ。
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「映画の舞台は1943年の占領下のパリ。ジャンゴ・ラインハルトDjango Reinhardtは、その軽やかなスウィングを武器に天才ミュージシャンとして頂点を極めており、大きなコンサートホールのライブでも成功を収めていた。同じ時期、彼のジプシーの兄弟たちは迫害されていたのだが、彼は、ナチが彼の音楽を宣伝に利用したいという思惑のなか、仕事において優遇されているのだった…。」
伝説のギタリストが、成功を捨てて音楽でナチに対抗していく様子を描いた映画なのかな、と想像しているが、どうだろう。

日本で公開されるかわからないが、飛行機などで観られるかもしれない。意識しておこうと思う。

ちなみに、老舗ラジオ局FIP(かつてのFrance Inter Paris)では、この映画の公開を記念して、4月24日~27日までジャンゴ・ラインハルトの特別番組を放送する予定だとか。Podcastでも聴くことができるので、お好きな方はぜひどうぞ。
www.fipradio.fr

高雄1DAY ~豪華盛り付けが魅力。右京棧 大吟釀の鍋~


昔「大立伊勢丹百貨」だった建物がある場所。


ライティングがだいぶ個性的なこのビルのはす向かいにある鍋屋「右京棧 大吟釀の鍋」に連れていってもらった。実は別のお店に行く予定だったが、はやく閉店してしまうことが判明し、こちらに来た、というわけだ。お酒や酒粕を使った鍋スープが有名らしい。こちらの「辛い」というのは相当辛いというのをきいたので、今回は辛くないスープを2種類選んだ。


味付けは、ポン酢みたいな味のしょうゆと、腐乳醬の2種類。日本人はどうしてもポン酢っぽい方を選んで食べてしまう。



お店の人のお勧めにそって注文をしたところ、テーブルの上が活け花のエキスポみたいになった。ひゃー、これをみるだけでなんだかテンションがあがる。値段は街中のお店よりは少しお高めかもしれないが、コラーゲンも摂取できるしこんなに豪華なお鍋でこの値段ならリーゾナブルだと思った。インテリアもモダンで素敵。落ち着いて食べることができる。地元の人が推薦する高雄のお鍋屋なので、ぜひ機会があれば訪問するとよいと思う。

右京棧 大吟釀の鍋
高雄市前金區五福三路25號
https://www.facebook.com/youjingzhan/

うつわギャラリー千鳥@水道橋で、「工房あめつち」の作品展


九谷焼の産地、石川県の寺井町の工房「工房あめつち」の作品展のために、うつわギャラリー千鳥に行ってきた。水道橋の東京ドームとは反対側の、駅から近いが地味なとおりにお店はあった。


友達に誘われてついていくだけ…と思っていたのに、目の前にわぁっと広がっていた「工房あめつち」さんの作品にすっかり心を奪われてしまった。ゆるーい画風と、ちょっと骨董っぽい雰囲気にすっかりほれ込み、かつて蕎麦猪口を収集していた時の気持ちがわいてきた…! 現金がなかったので、選びに選んで2つの蕎麦猪口を購入したのであった。どれにするか本当に迷ったけれども、赤・黄・緑で鳥をあしらったカラフルなものと、雨で喜ぶワンコと人を描いた、青いもの。


あとで知ったのだが、4月15日は「工房あめつち」作品展の初日で、しばらく入場制限をしていたとか。友人はほしかったものが入手できずがっかりしていたが、私はこんな素敵なお店と作品に出会えて満足だった。

他にも素敵な普段づかいの食器がたくさんあって、みているだけで楽しかった。家にある余分な食器を処分して、好きなものを少しずつ集める暮らしもまたいいかもしれないなぁ。

7番房の奇跡

イ・ファンギョン監督、2012年、7번방의 선물、韓国

6歳の少女イェスンは、子供の心を持つ父親、イ・ヨングと楽しく暮らしている。小学校入学を控え、イェスンが大好きなセーラームーンのランドセルをどうにか手に入れたい2人だが、それが買えるほど稼ぎがあるわけではない。
ある日、イ・ヨングはある少女と一緒にいるところをみられて、逮捕される。その子供が警視庁長官の娘だったこと、そして誤解を受けるような行動をしたこと、さらにその状況をきちんと説明できず、取調べ中の暴力に恐れを抱いたヨングは罪を認めてしまい、刑務所に入れられるのであった。
刑務所では、7番房で強面の受刑者たちにかわいがられながら、刑務所暮らしに慣れていくヨングだが、ひょんなことからイェスンと刑務所内で出会えることに。さらに、ある出来事のさなか、捨て身で所長を助けたことから、一部の人はヨングが誤認逮捕で刑務所に来た可能性を信じるものも出てきた。いろいろな人を味方につけ、ヨングは裁判にのぞむのだが…。

まあ、まず父親が逮捕されて6歳の娘が保護されず暮らしているところや、刑務所の房に娘が潜入できてしまうところがすでにファンタジーすぎるのだが、それでも重々しい話題に引き込まれていってしまう。救いは7番房の人々がかなりコメディなところか。現実的にはきっと軽度の知的障害を持っていて濡れ衣を着せられている人は世の中にいそうな気がするし、誤認逮捕した人に罪を着せるために警察が行う暴挙も、過去にあった話だから非常にリアル。実際は責任能力のないヨングがとても優しい気持ちを持っていて、娘を大切に思うあまりに裁判の答弁をうまくできない姿には、やきもきしてしまう。そして、イェスンを演じたカル・ソウォンがコメディエンヌぶりもパパを信じる娘っぷりも素晴らしい演技で魅せてくれる。父娘の会話に涙が止まらない。カル・ソウォンはどんな女優になるのか、将来が楽しみだ。

ケシ畑の小さな秘密

フアン・カルロス・メロ・ゲバラ監督、2012年、コロンビア、Jardin de Amapolas

舞台は内戦が続くコロンビア。少年シモンは父親エミリオと革命軍の襲撃を逃れ、父の従兄弟、ウィルソンを頼りに行く。その親戚の家もゲリラに襲撃されてもぬけのからだったが、無事に会うことができた。すでに働き口もないその村での働き口は、麻薬の原料となるケシの栽培だった。違法だが他の選択肢もない。エミリオは息子に詳しい仕事先の話はしなかったが、ひょんなことから職場がシモンにバレてしまう。しかし、シモンはそのケシ畑のボスに気に入られ、かわいがられるようになった。そのことに目をつけたウィルソンに、シモンはある話を持ちかけられるのであった…。
エミリオはまさに善良なる市民であり、どんなに暮らしが苦しくても、息子が悪い道に行きそうになるのをとめようとする。でも、シモンはすでに母親、兄、弟をゲリラに殺されており、略奪にもあっているので、きっとそんな父親の善良さをもどかしく思っていることだろう。隣の家の少女ルイサと遊びながらも、彼らの"秘密の場所"に行くまでの道にだって地雷原があり、ただ歩くだけでも安心はできない。犬を飼いたいルイサとシモンの「考え付いたこと」にもずいぶんハラハラさせられるが、そんなことからは想像もつかないことが起こって、二人は二度と会えなくなるのだった。死は哀しいことだが、ここで生き残るのが果たして幸せなのか。シンプルな短い映画だが、色々なことを考えさせられた。
シモンとルイサの会話。
「特別な腕輪よ。大切にして。」
「くれるの?」
「あげないわ。貸すだけ。」
「貸す?」
「そうよ。一生貸すだけ。」か。少年少女の会話として、あまりにも色っぽいではないか。

そしてその腕輪には、美しい湖の色をした石がついている。結局この二人は無事湖に着けたことがこの映画の唯一の救いなのかもしれない。