(2004年、中国、陸川リーチュアン監督)
中国青海省の秘境ココシリ。ヨーロッパで珍重されるチベットカモシカの毛皮を求めて密猟が絶えないため、1993年、密猟者をパトロールするチベット族ボランティアチーム、ココシリ山岳隊が結成された。政府の援助はないため、山岳隊は無償で、費用も自腹でまかなう。
密猟者との抗争が絶えぬなか、北京から来たジャーナリスト、ガイは、想像以上に過酷なパトロールの現実を目の当たりにする…。
たしかにココシリの自然は美しい。手付かずだ。でも、密猟者も取り締まる側も、そもそもの4,600メートルという高い標高に加え、厳しい自然環境のなか、生きるのに必死だ。ましてや、産業もない地で生きる手段として密猟しても、皮剥ぎ一枚で100円も貰えないなんて、切ない。そんななか、自費でパトロール隊をしてまでチベットカモシカを守ろうとする人々に心打たれる。
なお、実話に基づいているらしいが、ジャーナリストの報道のお陰で、今ではココシリも自然保護区に指定されているとのことだ。
それにしても、生きるって、壮絶なことだよね…