Hindi Medium


Saket Chaudhary監督、2017年、インド

これは、娘をデリーの私立学校 'Delhi Grammar School'に入れるためにあらゆる手段を講じた夫婦の物語だ。
主人公はイルファン・カーン演じるRaj Batraで、Rajは洋服メーカーのオーナー。妻のMitaは、一人娘のPiyaをどうしてもいい学校に入れたいがために、学校の近くに引っ越すとともに、受験コンサルタントのもとに通って、受験のアドバイスを得るなどの努力をする。それにもかかわらず、両親(というか父親)の英語力のなさなどから面接がうまくいかず、Piyaはすべての学校の受験に失敗するのだった。
意気消沈する二人のもとに、 貧しい子供たちのために私立学校がRight To Education (RTE) という枠を持っていることを知る。そこで、RajとMitaは、貧しい地区に移住して、その枠をもらうために奮闘する。貧しい地区では、やはり子供を'Delhi Grammar School'に入れたいと願っている、本当に貧しい労働者である Shyam とその夫人であるTulsiと家族ぐるみの付き合いをするBatra一家。しかし、このRTEによる入学はくじ引きで決まるものであり、まさかの、貧しいふりをしたBatraの娘のみが入学資格を勝ち取る、ということに。Rajは良心の呵責に苦しみ、ある行動に出る。

貧しいShyamが優しすぎて、みていて苦しくなる。貧しいからこそ父親がお金を持ちかえらない気持ちがわかる…といって、失敗ばかりで稼げなかったRajにお金を分け与えたり、お金が必要と知って自ら体を張ってお金を入手して、それをRajに分け与えようとしたり。いくら子供のためとはいえ、お金があるBatra一家はその優しさにふれればふれるほど、苦しかったに違いない。そして、ShyamはRajの一家の真実を知り、復習を果たそうとするも、それができずに涙するのだ。「私はどうやって人の権利を奪えばいいのかがわからない」と。それはそうだろう、自分は権利を奪われてばかりで、挙句の果てに教育の機会までを、プライドに狂った金持ちから奪われてしまうのだから。