Trio BBQが「ツィンバロン」を迎えてやるライブ

昨年見つけたカナダはモントリオール発のマヌーシュ・ジャズバンド、Trio BBQ。はじめて彼らの映像を観たときに、新たな息吹を感じてはいたが、彼らの最新動画には、あのツィンバロン(ツィンバロム)が編成に組み込まれていた! 
カナダ発のマヌーシュ・ジャズ・グループLe Trio BBQ - 空間Annex

この楽器のことを中世ヨーロッパの楽器というイメージで漠然ととらえていたのは、何かチェンバロあたりと勘違いしていたのだろうか。実際は、wikiによると「ハンガリーを中心とする中欧・東欧地域で見られる大型の打弦楽器」ということらしい。そして、この楽器はロマ音楽でもしばし用いられるそうなのだ。なるほど、珍しい組み合わせだと思ったのだが、この編成に持ってきたのはむしろ妥当ということか。

イメージしていたツィンバロンの音色は、物悲しく重厚なものだったが、ここで演奏している若手ツィンバロン奏者アレクサンドル・スーラAlexandru Suraの演奏は、とても軽快で、この楽器で奏でるイパネマの娘は、新鮮そのもの。また、Sweet Georgia Brownではメロディはもちろん、リズムギター部分の演奏もお手もの、音色も含めて調和がとれている感じたのであった。
アレクサンドル・スーラは、旧ソ連のモルダビア・ソビエト社会主義共和国出身。子供の頃からツィンバロンをはじめて14歳ですでに注目されていたようだ。数々の活躍を経て、現在はモントリオールを活動のベースにしているという。これはきっと、そんな名ツィンバロン奏者と、革新的な音を追及しているTrio BBQのモントリオールでの縁がなした映像なのね。