"Festival Django L'H"。マヌーシュ・ジャズを偏愛しているギタリスト、アルベルト・ベーリョAlbert Belloがスペインのバルセロナエリアで開催するジャズフェスティバルだ。2015年で5回目とまだまだ若いフェスティバルだが、マヌーシュ・ジャズ界の有名なミュージシャンが必ず参加しているのはもちろんのこと、バイオリンやリズムギターのマスタークラスやジャムセッションの機会も用意されているので、演奏家にうれしいフェスティバルでもある。
asquita.hatenablog.jp
さて、2015年11月に開催されたこのフェス、今年はAngelo Debarre Gipsy Unityがメインアクトと思われる。なぜなら入場料が20ユーロと、出演者の中で一番高いから。もちろん彼らを日本で観るのに比べたら安いとは思うが。
このバンドのメンバーには、ブカレスト出身のバイオリニスト、マリウス・アポストルMarius Apostol、それに息子のラーンギRaangy Debarreがリズムギターを務めている。一瞬リズムギターのチャボロ・ハサンTchavolo HassanがRomaneに見えてしまった私はまだまだ、ですな。とにかく、フルライブ映像がアップされているのはリモートファンとして幸せな限りだ。
これくらい存在感のあるバイオリンなら、ギター3本に大して1本でいいバランスだと思う。かっこいいなぁ。
ついでにフェスのプロモーション映像を観た。
ここですごいことに気が付く。このフェスのすごい出演者はAngelo Debarreだけではないらしい、ということに。
Robin Nolan TrioにAntoine Boyer(Samuelitoという人との共演だ。もう親子では活動しないのね)、聞き覚えがないとスルーしていた"Django 53 Quartet"というグループは、セバスチャン・ジニオSebastian Giniauxが率いているではないか。マチアス・ゲリMathias Guerryという人も念のため調べてみたら、このバイオリニストが主導するMathias Guerry Swingtetには、ギタリストのグウェン・カユGwen Cahueやマチュー・シャトレンMathieu Chatelainが入っている。ベースのウィリアム・ブルナールWilliam Brunardはアンジェロのバンドでもベースをやっているから、まさかの2グループ掛け持ち演奏かしら。レミ・オスワルドRémi Oswaldもマヌーシュ・ジャズ界の若手リズムギター奏者としてはきく名前だし。
というわけで、アンジェロだけかと思いきや、意外に豪華な"Festival Django L'H"なのでした。他の映像も期待しておこう。