天才 (石原慎太郎)

天才

天才

あの田中角栄のことを、政敵?でもあった石原慎太郎が書いた。しかも「俺」という一人称を用いて…。
新潟県柏崎市に1918年5月4日に生まれた田中の生い立ちは、波瀾万丈だ。馬に明け暮れた父親、本人のドモリのくせ、兵役、結婚、工事現場の仕事、映画への愛着、日中国境正常化に向けた交渉、要人との会話、ロッキード事件…彼を取り巻く出来事が浅いながら生々しく描かれていた。
田中は逝去した後、ロッキード事件の5億円収賄で有罪が確定しているのだが、石原はこの点においては「アメリカのメジャーに頼らぬ資源外交を展開した結果、アメリカの逆鱗に触れた結果の、アメリカの陰謀によるもの」として無罪と考えており、その考えをこの独白調の小説に込めている。いずれ、田中氏の周辺で起こった出来事は、30冊はある田中角栄関連の本から読み解くほうが面白そうだ。田中角栄の人生全般を知るためには、いい本だと思うが。
ちなみに私は、長年田中の秘書であり「越山会」も仕切っていたという、佐藤昭子関連の著書と、やはり田中の子を産んだとされる神楽坂の芸者、辻和子の著書に惹かれた。この中に書かれているエピソードだけでも、かなり異様な状況だものな…田中眞紀子氏もさぞご苦労されたことでしょう…。

静岡県伊東市の旨いランチメモ。

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★ステーキ池田
鉄板焼きのお店。ランチも目の前で仕上げてくれる。料理人の鮮やかな手さばきにうっとり。オススメは限定のオムライスかステーキかな。ガーリックライスにするとスープ茶漬けが楽しめる。
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食後のお茶は別部屋でいただけるのが嬉しい。

★旬の味たなか
こじんまりとした割烹。表通りの店がラーメン屋さんまで混雑するなか、ここは空いている。もったいないなぁ、いいお店なのに。
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伊東の旬を堪能したぜ。

地唄(有吉佐和子)

地唄(新潮文庫)

地唄(新潮文庫)

実家にあった本を読み漁った。そのうちの1冊がこの短編集だ。いずれも伝統芸能を題材にしている。
「地唄」
目の見えない大検校である父親と、日系2世との結婚で米国行きが決まるもそれを言い出せない娘、邦枝の物語だ。結婚して3年もの間父親との関係の断絶があったが、いよいよ差し迫った米国行きを言わなければならないなか、やむを得ず父の前に立つ娘。繊細な耳を持つ、普通の人がわからない琴の4の糸のわずかな調子狂いを思わずなおしてしまったことで、父が目の前にいるのが娘だと気が付き、なお音程を全部高めに調整しなおすという、古典芸能の一家ならではの意地の見せ方の演出が心憎い。この2世の青年である譲治も、東洋哲学を学び、菊沢検校のファンということで邦枝に出逢ったというのに、その結婚を反対されているのだから皮肉なものだ。でも、手塩にかけて娘に芸事を教えてきた父親としては、当時ならますます才能ある娘を外国にやるなど許せないことだったに違いない。

「墨」
勝手に書道家の話だと思っていたら、主人公は女流の舞踊家だ。白い絹に墨絵を描きこんだ衣装が舞台衣装として好評だったことから、老画家との交流が始まる。老画家が、自分の使っている方于魯の墨と自分の命をなぞらえたことから、舞踊家の春子は北京公演の際にわざわざ骨董屋で方于魯の墨を買い求め、老人に渡すのだった。着物の描写もさることながら、30を超えた舞踊家の年齢を重ねることによる美への執着ははっとさせられる。そして、老人が愛用する墨をみる際の春子のとった行動や、墨絵を描いている時の自分の気持ちを春子がきちんと汲み取っているということがわかったから、それが人の心を動かしたいに違いない、などと思ったりする。自分を理解している人にのみ心を開く…芸術家ってそういうものなんだろうな。

「黒衣」
歌舞伎座にて大部屋俳優として一生を終えたある老いた俳優の話だ。なんとなく故・中村小山三さんなどを想像したりしていたが、小山三さんのほうがはるかに恵まれていたかな?

人形浄瑠璃
文楽の伝統を守ろうとした結果、分裂した文楽の世界。どうやら文楽座の分裂自体は実話だったようだが、とにかくそれぞれの想いが交錯しつつも、分裂して大きな団体から離れた玉次郎という人形師が三味線の万八とともに、興業を成り立たせるために奔走する。その間の若手の成長や若手をひっぱる玉次郎の苦悩などが描かれている。

いずれの話も、あるひとつの芸事を極めた人のみが知り得る強い思いを美しく描いた作品で愉しめた。

【台湾・高雄旅】高雄っ子に大人気の「渡船頭海之冰」にて、かき氷堪能!


地元の友達の案内で、人気のかき氷屋にやってきた。鼓山輪渡という、旗津(キーシン)という近場の島行きのフェリーターミナル駅のすぐ目の前にあるお店だ。こちらの通りはかき氷激戦区という場所だが、このお店は「大碗冰創始店」というタイトルのせいか、普段から激混みらしいのだ。並んでいないほうが珍しいとか。

まずは席を確保してから、購入。撮影し忘れたが、メニューはすごい量だ。100種類以上あるのではないか。しかもサイズが20倍まで選べるらしく、周囲を見渡すと、サラダボールほどの器に盛ったかき氷を8人くらいでシェアしている人たちも! 私達は色々な種類を食べたかったので、個々に注文することにした。
こちらがその注文したものだ。



水果冰。フルーツかき氷にいちごのソースがかかっている。さっぱりしているし多くの果物を楽しめるからいい。
仙草冰珍珠冰。仙草と黒いタピオカに黒蜜シロップがかかったかき氷だ。やさしい味でこれもおいしい。
芒果雪花冰。マンゴにはちょっと早い季節だし、メニューにも「季節限定」とあったのだが、頼んだらちゃんと出てきた。氷の部分は、凍ったミルクをかき氷にした「雪花冰」にしてもらった。

どれもこれも本当に美味しかった。3種類の中に似たものがひとつもなかったのも良かった。

【台湾・高雄旅】十鼓橋頭文創園区にて"十鼓撃楽団"の太鼓パフォーマンスを楽しむ

台湾で有名らしい"十鼓撃楽団"というパフォーマンス集団は台中を拠点に活躍している。そのパフォーマンスが常に観られる場所が高雄にもあるということでやってきた。本拠地は台中らしいけれど。昔は製糖工場だった場所を改造してできたらしい。煙突や防空壕などにその面影がみられる。

まずは10時半ギリギリに到着し、劇場でパフォーマンスを楽しんだ。辺鄙な場所だと思っていたが、観光客やら修学旅行生やらで会場が満席でびっくりした。午後のステージに至っては、予約すら取れなかった。どうやらとても人気のようだ。

その後、ガイドさんの案内により、太鼓教室を楽しんだ。簡単な譜面をみながら、ガイドさんの指導の下リズムをとっていく。元々和太鼓演奏に親しみを持っている友人は、渡されたバチがプラスチックであることに憤っていたが、習ったリズムをみんなで合奏できて楽しかった。

その後、自分たちでさまざまな太鼓をみたり、太鼓の作り方を学んだり。


自然共生池(火災で焼けた倉庫の跡地を活用したらしい)でオジサンみたいなカエルの声を楽しんだりした。

トイレも自然に触れる仕掛けがあるので必見だ。



気になる「心霊教室」。昔は宿泊施設を備えていたらしが、今はどうなんだろうか。
www.taipeinavi.com

ちなみに"十鼓撃楽団"の通常のパフォーマンスはこんな感じです。

自分たちの暮らしの場でステージ開催や台湾の笛を用いた演奏、そして大きな太鼓教室用の施設を備えているあたり、佐渡の「鼓童」を彷彿とさせる。あいにくステージは写真撮影禁止だったのだが、ステージでは舞台上に水が降ってきてハラハラした。太鼓の革って水に弱いはずなのだが、大丈夫だったのかな…。

【台湾・高雄旅】大圓環鴨肉麺(美麗駅)で鴨肉に挑戦、のはずが。

高雄は鴨肉が有名ときいて、この鴨麺を試したかった…が、初日は7時半頃にってすでに売り切れ。2日目はもう少し早めに行ったのに、「もう鴨肉は売り切れで、選択肢は豚肉のみ」という悲劇を味わった。
このお店の隣だと思うのだが、このお店に至ってはあいているのすらみることができなかった…。そんなに人気で美味しいのだろうか。いずれ、台湾のお店は閉店時間がはやいのが一般的なので、早めの夕飯を心がけたいものだ。
www.taipeinavi.com


仕方ないので、豚肉麺をスープ(湯麺)と汁なし(乾麺)にて注文。普通に美味しかったが…麺の量が多かったなぁ。あと、アルデンテをつい求めてしまうのがいかん。乾麺は、麺の量に対して具はニラとかモヤシがちょろっと入っているくらいだろうか。最近「台湾まぜ麺」というのがあり、生卵やいろいろ具だくさんだが、こっちの乾麺は全然違う。値段もお手頃だ。

このお店、ここにも行った人がいる。
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【台湾・高雄旅】三味巧台灣小吃

友達が普段から行っているという、地元の家庭料理やさんにいった。読み方とか一切わからない…。鶏肉飯(ジーローファン)をベースに冬瓜排骨湯、レタスのオイスターソース炒め、煮卵、炒地瓜葉(サツマイモの葉っぱ)等をオーダー。そして友人は私が香菜(パクチー)好きなことを知って、パクチーを別にオーダーしてくれたっ!

もっとも、お店の人は怪訝な顔をしたらしいが…。


どれもこれも本当に美味しかった。友達は、もっといいお店に連れて行きたかった、というが…こういうのが食べたいのだ。またぜひ訪れたい。