Coco←Musika(ココムジカ)@Praca 11。オーナーが惚れ込む実力派バンド。

表参道にあるブラジル音楽のライブハウス、プラッサオンゼ。
プラッサオンゼへ ようこそ!

だいぶ昔、私がブラジル音楽に出会った頃は、このお店によく通い詰めたものだった。2019年11月いっぱいでこのライブハウスが営業が終わることを知ったのは、今年の夏のことかな。私をブラジル文化にいざなってくれた友人がブラジルから帰ってくるというので、「久々に一緒に行こうよ」ということで調べてみたら、まさかの閉店…。クラウジアさんのお誕生日パーティーの時に、閉店が発表されたようだ。
なぜこのお店ができて、続いているのか…ということについては、このブログが詳しい。
holake.info

閉店を受けてからなのか、それともずっとこうだったのか、私が予約しようとするとき、たいていプラッサは立ち見状態だった。この日のライブは、Coco←Musikaというバンド。なんでも三線を使う、沖縄音楽っぽい感じだったので、実は予約時ちょっと迷った。でも、ブラジル音楽のライブによく出ていらっしゃるコモブチキイチロウ氏が出演していることと、数日前に沖縄から帰ってきたということが、私を後押しした。うまいことブラジルと沖縄の融合が見られるような気がしたのだ。

ココムジカは、ギターの梶原順氏と、三線のゲレン大嶋氏によるユニット。
coco←musika

ライブがあったのは、10月28日。この日は、この二人のデュオに加えて、ベースのコモブチキイチロウ氏と、ギターのマルセロ木村氏が参加してのライブであった。結果は…相当よかった、本当によかった。

ファーストアルバムのダイジェストを聴くと、少し雰囲気がわかるだろうか。

演奏曲は、カチャーシングキャット、サンゴのサンバ、Swingin' Koza、イパネマの娘ならぬブセナの娘…など。メロディラインも印象的で、愛しくなるような曲ばかり。三線の使い方もとってもモダンでカッコよかった。梶原氏のギターの演奏が完璧だったからこそ、この三線の音がさらに引き立つんだろうなぁ。

この曲を聴きながら、数日前に国道58号線をドライブしたことを思い出していた。

ゲストのお二人も忘れてはいけない。コモブチ氏は来日したブラジル音楽系ミュージシャンとも一緒に演奏したりしていてよく見かけたが、マルセロ木村氏というギタリストをこの日初めて知った。ブラジル音楽通の友人曰く「すごく上手だ」とのこと。途中、コモブチ氏と木村氏のデュオでの演奏や、木村氏ソロ等もあったのだが、ココムジカとはまた異なる魅力とパワーだった。木村氏の音楽的なお遊びがすさまじく、ココムジカの曲の合間にブラジル音楽の名曲のキーフレイズをちょいちょい挟んでいたのが、楽しかったなぁ。音楽を聴きながら笑ってしまう。そして、演奏後にゲレン氏がツッコミを入れるというゆるい感じ。

ちなみにマルセロ氏のアレンジした桃太郎の歌、よかった。もう、あの和風な童謡の姿はまったく消え去り、フュージョンの香りすら立ち込めるすごさ。

ボッサのスタンダードもまったく新しい気分で聴くことができた。

マヌーシュ・ジャズといい、ブラジル音楽全般といい、私はつくづく弦楽器が好きなのだな。弾けないけど。

ちなみに後でクラウジアさんとお話していてわかったのは、とにかく、クラウジアさんがこの日の出演者のことが大好きで、その才能を認めていいるということだった。彼女の、この日の出演者の的確な見解を聞きながら、私は、クラウジアさんの日本のブラジル音楽界に対する貢献度の高さを改めて思い知った…。

テレビで出逢う日本の音楽 - WONK & The Charm Park

8月にシブヤノオト、というNHKの音楽番組を観ていていて、いいなぁと思ったバンドを2つ、メモしておこうと思う。

WONK
メンバーそれぞれがソウル、ジャズ、ヒップホップ、ロックのフィールドで活動するプレイヤー/プロデューサー/エンジニアで、かつボーカルの長塚氏は元フレンチの料理人という、不思議なバンド。自称「エクスペリメンタル・ソウルバンド」ということらしいのだが、まあ、なんというかカッコイイ。そして彼らの音楽とボーカルがすごくマッチしている。

magazine.tunecore.co.jp

The Charm Park
韓国にルーツを持ち、国籍はアメリカ、16年ほどを米国で過ごし、バークリー音楽大学でギターを専攻したアーティスト。
見かけがアジカンのゴッチそっくりで話題になっていたが、アジカンも歌いそうな曲を実際にやっていて、しかもかっこよかった。しかも、ゴッチに似ているどころか、ゴッチがその才能を認めて曲を依頼しているのだから、その実力は本物だろう。
「今までのー奇跡はただ あなたと過ごすOrdinaryから 生まれてきたんだ」

いやぁ、名曲ですなぁ。11月20日にはニューアルバムもリリースするらしい。楽しみ!
entameclip.com

沖縄 4 days - 琉冰(りゅうぴん)@おんなの駅「なかゆくい市場」

「とにかくすごい道の駅がある」ということで紹介されたのが、恩納村にある「なかゆくい市場」。イートインスペースも充実していたので、ここで、沖縄そばや、当地ではやっているらしい海産物にウニソースをたっぷりのっけたおつまみ、かまぼこ等を買って、友人たちと食べた。なかでも、地元っ子のおすすめが、ここのかき氷。あいにくの天気で、大量に食べる気分でもなかったので、黒糖ミルクぜんざいを友人とシェアした。優しいお味でこれはいいね。

農産物は豊富で、旬の果物や野菜をたくさん売っていて、もう店頭を眺めるだけでも楽しい。ちょうどドラゴンフルーツ大セール中だった。一部で、美容にいい果物だとはやっている、ときいたけれども、やはりいざ買うとなると、ちょっとハードルが高いのかな。

個人的にうれしかったのが本が豊富に置かれていたこと。沖縄言葉や楽器、雑誌など、これをみているだけでも飽きない。私が沖縄に行くたびに惹かれて買ってしまう本をよく出している出版社、「ボーダーインク」さんが「ボーダー文庫」という文庫本を出しはじめたらしく、いくつかのシリーズが置かれていた。時間が許す限り、ここで過ごしたかったなぁ…。

沖縄 4 days - 「泊いゆまち」@泊漁港

「面白い市場があるよ」というわけで、地元の人に連れて行っていただいた魚市場。「いゆ」というのが、沖縄の言葉で「魚」という意味らしい。もずく専門店の存在は理解するが、マグロの解体所まであるとは知らなかった。なんでも水揚げ量20~50トンのうち、マグロが7割も占めているそうなのだ。なるほど。

今回行ったのは夕方だったので、ほとんどの品物が売り切れてしまっていた。次回は、朝からここのお店に行って、マグロ丼を食べるのだ!
maguro-kaneyama.com

今年もジャンゴ・フェスが街に? 20周年を迎えた"The Django Festival Allstars"の米国ツアー

The Django Festival Allstars は、ジャンゴ・ラインハルトの"Hot Club"スタイルの音楽を21世紀に語りつぎ、その魅力を後世に伝えようというプロジェクトを行うバンドの名前だ。ニューヨークの有名ジャズクラブであるBIRDLANDで行われる"Django Reinhardt NY Festival"に参加をするために、毎年6月と11月の二回渡米し、東海岸を中心にツアーをする。1999年からはじまったこのプロジェクトは、 20回目を迎える。このプロジェクト名でパリでもライブをやったりしている。
www.djangobirdland.com

こちらがポスター。バードランドが作ったポスターと自分たちで用意したポスターでだいぶセンスが違うのはご愛嬌。
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メンバーは豪華だが、バイオリンもギターもこなすドラド・シュミットDorado Schmitt を中心に、毎年微妙に変わる。今年は、ドラドの息子たちでやはり有名ギタリストですでにリードアルバムもあるサムソン・シュミットSamson Schmittにアマティ・シュミットAmani Schmitt、いとこのベーシスト、ジノ・ロマンGino Roman、リズムギターフランコ・メルステインFrancko Mehrstein、やはり有名アコーディオン奏者のルドヴィック・ベイエLudovic Beier、それにやはりヴァイオリンのピエール・ブランシャールPierre Blanchardも出てくる。
豪華だ、豪華すぎる! 演奏も観客もアツすぎる。

もうすでにこのプロジェクトのライブもいくつかアルバムになっているが、たまに動画でステージを堪能できるのもまたうれしい。こちらは、今年の6月にニューヨーク州の劇場、Guild Hallで行われたライブの映像だ。

オフィシャルサイトではまだ見つけられないが、すでに11月に米国で開催sれるライブ情報も少し出ている。
www.kennedy-center.org

「ベイシー」@一関に思いを馳せる休日。

この3連休のちょっと前からお休みをいただき、「そうだ、ベイシーに行こう」ということになった。以前伺った時に遠くの温泉宿に宿泊したところ、「本気でベイシーで音を聴くなら、遠くに泊まったらダメだよ。夜が楽しいんだから」とマスターの菅原さん言われたので、その教えを守って再挑戦を試みたのだ。今回は、長居すると心に決めて。

車は止まっているからきっといらっしゃるに違いないと思ったのだが、14時頃に訪れたのにシャッターは半開きのまま。そして、お店にはこんな看板が立っていた。「しばらくの間、休業させて頂きます」と。え、営業していないの?


あれ、どうしたのだろう。この日の2日後に上陸が予定されていた台風のせいとは思えないし、思いたくもない。もしかして急な長期取材か出張かしら? それとも、体調を崩された? Google の情報は普通に「営業中」になっている。色々検索してみたが、これといった情報は出てこない。9月の13日にはカウント・ベイシー・オーケストラのメンバーが「ベイシー」を訪問した記事も見つけた。
www.asahi.com


9月24日には村上ポンタ氏のライブがあったようだが、これもちゃんとやったような形跡がある。ところが、その数日後には「ベイシーに来たけれども営業していない」というようなツイートを発見した。ということはちょうど休業に入って2週間くらいなのか。それとも、時々お店を開けない時もあるのだろうか。もしそうなら、明日くれば開いている可能性もあるかもしれない。

色々と考えたものの看板に気後れがしてしまい、この日はすごすごと引き上げた。市内で入るお店やバーでもさりげなく状況の質問するも、街の人も「ベイシー」は知っていても営業状況まではご存じないようだ。「やっぱりノックして状況をきくべきだったか? そもそも新幹線に乗る前に連絡すればよかったのかと思いを巡らせる。が、検索に検索を重ねて、徐々に状況がわかってきた。ヒントをいただいたのは、看板をみてしばらくしてから出てきた「アルケミスト」さんという方のツイート。

おかげでやっと、状況がわかったのだった…。こちらのFMあすもの番組の状況をみても、悲しい出来事は、突然起こったのに違いないというのが想像できた。
watoのおむすびラヂオ | [公式] FMasmo - 岩手県一関市のコミュニティFM

ドアをしつこくノックしたり、電話で営業状況を確認しなくてよかった。マスターはどれだけ力を落としていることか。一介の旅人には何もすることができないのが心苦しい。

菅原正二さんは、お店で必ずMiles DavisのSomeday My Prince Will Comeを聴くという。

かける言葉が見つからないので、今宵は音楽で寄り添ってみようと思う。

asquita.hatenablog.jp

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なお、10月14日からは営業を再開した模様です。

オリジナル曲で勝負するLollo Meier Quartetの美しいライブ映像 by Culturebox

France 3のカルチャー情報提供番組Cultureboxにて、オランダのマヌーシュ・ジャズ・ギタリストであり作曲家でもあるロロ・メイエールLollo Meierのカルテット が取り上げられているのを発見した。昨年のフランス、サモワのジャンゴ・フェス(Festival Django Reinhardt 2018)の映像らしい。映像の中で演奏しているのはすべて自身のオリジナル曲だ。

オランダのマヌーシュ・ジャズといえば、まずはじめにTrio Rosenbergを率いるストーケロ・ローゼンバーグStochelo RosenbergをはじめとしたRosenberg一族が思い浮かぶ。もうシーンから消えてしまったがJimmy Rosenbergジミー・ローゼンバーグも、ストーケロの縁戚だったな。

実はマヌーシュ・ジャズ・ギタリストの層が厚いオランダで、Lollo Meierがどれほどの知名度があるのかわからないが、ジプシー音楽一家の出身で、ジャンゴ・ラインハルトDjango Reinhardtの音楽を忠実に継承しようとしているギタリストのひとりとして活躍している。2018 年には、"Anthology"というアルバムをリリースしており、そのプロモーションもかねて、昨年はますます精力的にライブ出演等していたのかもしれない。

ちなみにこの年のジャンゴフェスでは、Cultureboxは他にもいくつかのライブを撮影している。今や、マヌーシュ・スウィング以外の大物ミュージシャンもたくさん出演するジャンゴフェスだが、マヌーシュ・ジャズが好きだったら、こちらのRomane et Eric Bouvelle Quintet の映像も愉しめるだろう。

あるいは、Gismo Graf、Amati Schmitt, Brady Wintersteinがメンバーの豪華クインテットの映像もよい。

【追記】
こちらも発見。
別の視点から撮影したGismo Grafの豪華クインテット


Samson Schmittのカルテット。