Tom Mischの曲が頭から離れない

英国出身の歌手、トム・ミッシュTom Mischの曲を一度聴き出したら、どうも頭から離れてくれない。すでに2018年にはデビューアルバムを出しているし、2019年5月には単独公演のために来日し、チケットはソールドアウトだったとか。オープングアクトがSIRUPとは羨ましい。コロナでキャンセルとなったフジロックにも出演するはずだったようだ。感度が高い人にはすでに届いていたんだなぁ、このアーティストの魅力が。

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私はこのあたりのライブ映像で収録されている、とくにボサノヴァっぽいバッキングとアンニュイな声ではじまる"It Runs Through Me"に引き込まれ、"I Wish"に出てくるちょっと不思議なコード進行で「もっと聴いてみたい」と思った。

2019年にはモントルージャズフェスティバルに出演しているんだ。音がカッコ良すぎるな。ずっと身体を任せておきたい。

では最近どうしているのかというと...コロナでこもっている間にヴァイオリンを弾いてみたり。

名曲をカバーしたり。いや、Nirvana に SolangeLuther Vandross?? カバー範囲が広くて驚いている。

マルコス・ヴァーリMarcos Valleと一緒に"Parabéns"を共演している!

昨年は、地元出身のジャズドラマーユセフ・デイズYussef Dayesと組んで、アルバムをリリースしたらしい。

正直、ドラムがほどほどに入っているくらいの方が好みではあるが、どんどん変化球を投げてくる姿が頼もしくもある。音の引き出しが豊かなんだろうなぁ。いつか生演奏をみる機会をつくりたくて、ここにメモをしておこうと思う。私はしばらく彼のライブ映像で贅沢な音楽ライフを送ることができる気がする。

フランス、フォンテーヌブローで初めてできた週末ジャズクラブ「 Les Taties Jazzy」

フォンテーヌブローといえば、森、お城などが思い浮かぶだろうか。フランス、パリ郊外の都市で、ビジネススクールINSEADの欧州拠点もこのあたりにある。実はこのエリア、ジャズをライブで聴ける環境なかったそうで、週末だけライブを楽しめる環境を... ということでオープンしたこのクラブは、土曜日はジャムセッション、日曜日にライブが楽しめるらしい。
2020 年10月16日には、Angelo Debarreが出演していたとか。 リズムギターにはマチュー・シャトランMathieu Chatelain、そしてベースはウィリアム・ブルナールWilliam Brunardが出演していたそう。
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この日は、パリ出身のアコーディオン奏者ジェレミー・ドゥテイユJérémy Dutheilも出演したようで、彼の動画サイトではライブの様子が紹介されていた。もしかして飛び入りしたのだろうか。ジェレミーはマチューと過去に共演歴があるので、そんなご縁もあってライブに出演することになったのかもしれないな。

コロナでジャズクラブの運営も大変だとは思うが、どうにか持ちこたえてくれることを心から願っている。

マドリッドの有名レストランJosé Luisの味を渋谷で。

スペイン・カタルニア地方の郷土料理である、パスタのパエーリャ「フィデワFideua 」に興味があって、機会をつくっては積極的に食べようとしている。そこで、今回友達とのご飯に、こちらのスペイン料理「ホセ・ルイスJosé Luis」を選んでみた。本店はマドリッドにあるモダンスパニッシュらしい。場所も流行りのビルとはいえ壁少なめのオープンスペースみたいな場所だし、正直フィデワ以外にあまり期待を寄せていなかったのだが...

あら美味しい。

テンション高く選べるかわいいピンチョスから...
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(興奮しすぎて途中で写真とっていないけれど)ガスパチョ、スフレトルティーリャ(普通のトルティーリャにムース状のマッシュポテトがかかっている)、サラダ、デザート....
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そしてお目当て、フィデワ。アイオリソースがついていて、味変もできてしまう。
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どの料理も美味しすぎて感動した。

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さらに感動したのが、何気なくオーダーした辛口の白ワイン。このRueda Verdejoというのは、スペインはカスティーリャ・イ・レオン州のルエダでとれるブドウ品種で、アルバリーニョ種と並ぶ白ワイン用ブドウらしい。いやらしくない程度のフルーティーでさわやかでおいしくって、あっという間に飲み干してしまったのであった。アルバリーニョのワインもまだはずれを引いたことがないが、こちらのベルデホもそういう類なのかもしれない。またどこかのレストランで出会えるといいな。
wandsmagazine.jp

MAMAMOOがカバーするPrimary "물음표(疑問符) - Question Mark"

Mamooの醍醐味はライブ動画でこそ味わえると思っているので、たまに動画サイトを巡回しているのだが、今日、あるライブ動画の背景から"Party People"という番組の存在を知った。

調べてみると、こちらは今をときめくNiziUのプロデューサー、パク・ジニョン(J.Y.Park)がホストをつとめていた音楽番組らしい。当然ご本人もパフォーマンスしたのだろうな。あいにく番組は2017年1月〜10月と短期間で終わってしまったが、そこまでK-Popに詳しくない私でも知っているレベルのミュージシャンが出演したようだ。たとえばBLACKPINKとかEXOなんかも出演歴があった。

Mamamooの他の出演映像も見つけたのでまずはこちらを堪能。メンバー一人ひとりがソロを張れる実力がよくわかる。また、"Yes, I am"の生バンドバージョンも、かっこいいなぁ。

で、今回釘付けになったのが、こちらの曲だ。シックでかっこいいな。

あまりにも雰囲気が合っているのでオリジナル曲なのかと思ったが、どうやら프라이머리 、Primary(プライマリー)の曲をカバーしたらしい。ああなるほど、それっぽいな。Mamooのファサは2015年にリリースされたPrimayのセカンドアルバム"Vol.2-2"で、"Mileage"という曲に参加している。そんなご縁もあってプライマリーをカバーしたのかもしれない。

原曲はPrimary のファーストアルバムに収録されており、Dymanic DuoのChoizaとZion. t(二人とも有名なヒップホップミュージシャンらしい)が歌っている。

私は3枚目のアルバムでPrimaryを知ったが、このQuestion Markという曲は10年くらい前の曲だというのにやっぱりかっこいい。そして、素敵だと思っているミュージシャンが自分が好きだと思っているミュージシャンをカバーしてくれるのは、嬉しいものだなぁ。
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民謡クルセイダーズ=MINYO CRUSADERSが出演の "Tiny Desk Meets globalFEST"がカッコ良すぎる

アメリカの公共ラジオ放送 NPR(National Public Radio)の"Tiny Desk Concert"に、民謡クルセイダーズが出ているのを発見した。

毎年ニューヨークで開催されているイベント globalFESTとNPRがコラボして、4つのインターナショナルバンドが登場するバーチャルライブ番組が実現した。司会は、2004年のglobalFESTに出演した西アフリカ、ベナン出身の歌手、アンジェリーク・キジョーAngélique Kidjo。撮影もそれぞれの国で行われているようだが、民謡クルセイダーズのセットが、懐かしい公民館や体育館の香りがする。しかも、画面左下にはこたつが...まさに日本版タイニーデスクだと海外の人には気がついてもらえているだろうか...と思ったら、ちゃんと解説が書いてあった。"For their performance, the Crusaders found a unique take for their desk: a "kotatsu," which is a heated Japanese table traditionally used for gathering in the winter months."そうそう、まさにね。しかも、出番のない出演者がくつろいでいるというw

他にもペルーのクンビアバンドとか出ているのだが、民クルが見事に出演者に溶け込んでいて、かっこいいなぁと思った。しかも、会津磐梯山では間に"Caravan"を挟んでくるんだ...

3曲じゃ物足りなくて、他の演奏動画を探していたら、どうやら2019年にオランダのユトレヒトでライブをやっていることがわかった。会場が大きい! すごく盛り上がっている。

そしてコロンビアでも! Festival Internacional de Jazz de Los Andes というジャズフェスに招かれていたようだ。

2020年3月には、オーストラリアのアデレードで開催されている野外フェスWOMADelaideにも出演していた。今は世界でライブ活動するのは厳しい時期かもしれないが、これからも世界中で「かっこいい」を振りまいてきてほしいなぁ。
www.timeout.jp

追記: ライブ動画の撮影地についての情報を得ました。東京都あきる野市なのか。澤乃井の宣伝が見えていたので八王子あたりを想像していた。こんな雰囲気のある場所があるとは。
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本気の物づくりに、人は涙する...のではないか。「音響ハウス」@ユーロスペース

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1974年に銀座につくられたレコーディングスタジオ、「音響ハウス」を愛する人たちのドキュメンタリー。映画に登場する、超有名ミュージシャンたちが、音響ハウスがいかに素晴らしいスタジオで、音に魔法がかかるのか、自分たちの言葉で説明していく。また、ギタリスト佐橋佳幸氏と、レコーディングエンジニアの飯尾芳史の企画により、音響ハウスで新曲をレコーディングするというプロジェクトも同時進行。

私はいわゆるシティポップは大好きだが、世代的には、この映画に登場するミュージシャンをオンタイムで聴いていたとは言い難い。音響ハウスのことだって、知ったのはこの映画がきっかけだ。それでも、この映画の予告編動画を観たときに、HANAちゃんの声とこの新曲のメロディラインに圧倒されて、曲のCD欲しさに映画をみる前にパンフレットを購入していた。そして、さんざんCDを聴き倒してからこの映画を観賞したのだった。

遠藤氏はじめとした裏方の丁寧な機材メンテナンスの姿勢は称賛に値するが、まあとにかく出演者が豪華だ。坂本龍一矢野顕子松任谷由実&正隆夫妻、佐野元春綾戸智恵...彼らの中には、レコーディング中に音響ハウスにほぼ住んでいた状態の人や子守をしながらレコーディングに勤しむ人、自宅スタジオじゃうまくいかなかったレコーディングが音響ハウスで一発OKのテイクでうまくいった...などのいい話がたくさん出てくる。当時はCMソングもゼロから作り込んでミュージシャンに参加させるなど、音楽にとって贅沢な時代だったということもわかる。

結局、音響ハウスで良いレコーデイングができる秘密は、ミュージシャンが気持ちよくストレスなく演奏できる環境と雰囲気...という曖昧な言葉でしか理解できなかったのだが、HANAのレコーディングと、それに取り組むミュージシャンたちの姿勢にも感動した。素晴らしい声だけれどもまだ完璧とはいえない、名も無い新人ミュージシャンのために豪華すぎる演奏メンバーが真剣に向き合い、豊かすぎる伴奏を繰り広げる。もう理屈ではなく、Melody-Go-Roundという曲と参加者の情熱に圧倒されて、鳥肌が立ち、自然と泣けてきてしまった。大貫妙子のコーラスをちゃんと確認しきたくて、映画を見終わってもなお、映画パンフレットのおまけCDを聴きまくっている。フルアルバムがでたら真っ先に買う。間違いなく買う。

「クソみたいなギターを弾くには人生は短すぎる」。Jimmy Rosenberg がライブしてくれるオランダのギターショップ、"The Fellowship of Acoustics"

オランダのハルテンベルグ市にある小さな村、ベルゲントハイムBergentheim。正直オランダには疎いのだが、有名な都市の近くとも説明しがたく、地図をみてもいまいちピンとこないような場所だ。
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正直決して便利ではないこの場所にあるギターショップ、それが"The Fellowship of Acoustics(TFOA)"である。ウェブサイトによると、このギターショップが設立されたのは2001年。ただし、自分たちの場所が決して便利でないことを考慮し、ヴィンテージギターに投資したり、有名なギター職人との接触を持ち、本当に品質の高いハンドメイド品のギターを取り揃えた上で、宣伝広告活動および広報活動を英語で行うなどして、ビジネスを拡大していったとか。社是は"Life’s too short to play a shitty guitar(クソみたいなギターを弾くには人生は短すぎる)"ですって、なんと江戸っ子ばりに痛快なこと。

こちらはギターショップの紹介動画。8つの部屋にクラシックギターバンジョーアコースティックギター(もちろんジプシーギターも)などがテーマごとに置かれており、試し挽きもできるようになっているとか。コンサートホールがあったりワークショップも行われているらしく、さらにはカフェも併設だとか。本気のギター選びには最高の環境だといえそうだ。

ギタリストでない私がなぜこのギターショップの情報にたどり着いたかといえば、定期的に消息を勝手に確認しているジミー・ローゼンバーグJimmy Rosenbergのおかげだ。オランダの神童ギタリストであったが、ドラッグで何度かシーンから消えかけるも最近やっと復帰しているようにみえるジミーは、ここのギターショップでEastman のGypsy Jazz model(DM)をオーダーしたという。そしてそれを自らピックアップしにきたついでにライブをしたそうで、その様子が動画でアップされていたのだ。おお、いきなりBossa Dorado!!


まだタグがつきっぱなしのギターだが、購入時の試し弾きだけでこんなに贅沢なライブが聴けるなんて素敵すぎる。