黄昏の狙撃手

黄昏の狙撃手 (上) (扶桑社ミステリー)

黄昏の狙撃手 (上) (扶桑社ミステリー)


黄昏の狙撃手 (下) (扶桑社ミステリー)

黄昏の狙撃手 (下) (扶桑社ミステリー)


元海兵隊特務曹長で狙撃の達人、ボブ・リー・スワガーを主人公にしたシリーズで、原題はNight of Thunder、すなわち「雷鳴の夜」といったところか。

スティーブン・ハンターのこのシリーズは、「ダーティーホワイトボーイズ」を勧められてからというもの、気に入って読み続けているが、久々に読んだ本作は、初期の作品に比べると大分残念な内容だというのが正直な感想だ。そもそも、緊張感が漂う狙撃シーンが少ないし、以前よりも銃に関する記述が減ったような気がする。せっかく邦題に「狙撃手」という単語を使っているのに…。

驚いたのは、本作の犯罪者の傍若無人ぶりは、14世紀後半にエディンバラ近くで暮らしていた伝説の?犯罪者集団がモチーフになっているということ。真実に基づいていると知ると、がぜん面白く感じる。あとは、黒幕の存在が小説の終盤まで見えにくかったところは、さすがの書きっぷり。でもなぁ、やはり初期の作品がおもしろすぎたので、それと比較してしまうと、本作は普通すぎる。