一番はじめに八木節に出会ったのは、山中千尋氏の澤野工房から出たセカンドアルバムだったか、ジャズによるYagibushiだと思う。確か桐生は彼女の出身地でもあったはずなので、彼女が子供の頃からきいている地元の祭りの音楽をジャズアレンジしたこの曲は本当にかっこよくて、いまだに愛聴している。
ただ、あのころは、まさか本当に八木節を観に行ったり、ましてや自分で踊ったりするとは思っていなかった。今年も昨年に続いて桐生八木節まつり2015に行ってきた。
本来は、牛頭天王社(八坂神社)の祭礼であり、各町内ごとに豪華な鉾や屋台を出すようだが、私が参加するのは夜に行われるいわゆる盆踊りだ。ただし、東京の盆踊りと違い、バックに流れる音楽は「八木節」のみ。ステップがほどほどの難易度なのである程度の集中力は必要だが、馴れればついていけるし、何と言ってもノリがよくて楽しい踊りなのだ。まったく飽きない。続けて踊ればすぐにトランス状態に入ること請け合いである。
もっとも、やぐらを囲んで踊るスタイルには、決して長い歴史があるわけでもないらしい。タクシーの運転手さん曰く、昔はこんなに八木節自体が一般化されていなかったそうだ。さらにいわゆる八木節の合間の部分(間奏部分というか)で歌う歌もここ20年くらいでできたのではないか。40歳前半くらいの人が、自分たちが若いころ作ったようなことを言っていた気もするが、うろ覚えだ。とにかく、歌えたほうがおもしろいので、地元の人に歌詞を聴いた。
♪小原庄助さん、なぜ身上(しんしょう)潰した〜
朝寝、朝酒、女が大好きで〜
それで身上潰した〜
あ〜もっともだ〜もっともだ〜
いいや違う、いや違う(アソーレ)
いいやそうだ、いやそうだ〜
やんちきどっこいしょ〜
祭りだ 祭りだ (桐生の祭りだ)♪
盛り上がりっぷりは、だれかがアップした去年のYouTubeでわかるかな。とにかくすごいのだ。ライブみたいにアツい。お囃子さんも、アンコールにまで応えてくれるし。こんな楽しいお祭りがある故郷って、なんて幸せだろう。羨ましいなぁ。
八木節関連の資料と楽譜も見つけたので、篠笛で挑戦してみようか。
http://www.city.kiryu.gunma.jp/web/home.nsf/42fed222e9b38157492568fd002b273a/d5008f957ca1cae749256b6d000edcba?OpenDocument