第53回 桐生八木節まつりで知った、「粋翔」大やぐらの特殊性

桐生八木節祭りとは、「八木節」と「桐生祇園祭」を中心としたお祭りで、関東三大夜祭りの一つらしい。「渡良瀬通信」というフリーペーパーの8月号によれば、桐生にはかつて多くの祭りを異なる時期に開催していたそうだが、昭和39年にこれを統一し、今のような形態のお祭りになったとか。なお、桐生祇園祭の方は1656年から実施していたというから、歴史は長いようだ。
「八木節」は、桐生のお隣り、栃木県足利市の堀込源太という人が、地元の念仏踊りを自己流の早い節回しにしたのがきっかけだとか。これが評判となって、レコード化されたのだが、「レコード録音のために短くしてほしい」といわれて、1コーラス7行で歌いきるように作り変えられたのが今の「八木節」だという。でも、実際には、桐生で主流になっている「7行の歌詞で自由に歌う」スタイル以外に、「語り節(テーブル音頭)」というのがあって、初代の堀込源太は語る方の節をやっていたそう。
「新保広大寺節」が八木節の祖だとか。確かに雰囲気は似ている気がする。

どうやら足利と桐生は「八木節はどっちのものか問題」でもめているようだが、「生みの親は足利、大衆化して育てたのが桐生」という理解でよさそうだ。


今年は、日曜日の夜まで桐生に居座って、最終日のすごさを感じてきた。五丁目の「粋翔」大やぐらはとくに盛り上がりが尋常でなく、FM桐生の屋上から写真や映像も撮影していたし、飛んでいるドローンもみた。でも、うずの中に入ってしまうと、踊りの円がどれだけ大きなサイズになっているか、もはやわからない…。これは、まるでだれかのライブかフェスのようだ。もう踊りというよりはその場で飛び跳ねるようになっていた。

ところで、今回の気づきは以下の歌詞についてだ。これは、笛がソロで囃しているときによく聴いていた合いの手だ。

小原庄助さん、なぜ身上(しんしょう)潰した〜
朝寝、朝酒、女が大好きで〜
それで身上潰した〜
あ〜もっともだ〜もっともだ〜
いいや違う、いや違う(アソーレ)
いいやそうだ、いやそうだ〜
やんちきどっこいしょ〜
祭りだ 祭りだ (桐生の祭りだ)♪

ところがなんとこの合いの手が入るのは五丁目のやぐらのみであることが今回判明した。本町二丁目の「宏龍」やぐらでは、二日とも小原庄助さんの名前は出てこず、やぐらによって特徴があることが判明した。お囃子と音頭のクオリティが高いが踊り手が少な目のやぐらもあれば、八木節は演奏せず御神楽のお囃子ばかり演奏しているところも。このバラエティの豊富さが桐生の八木節祭りなんだなぁ。来年行った時の楽しみがまた増えた。

祭りの後は、各町会がお会所にご挨拶周り。


こちらが過去の八木節の記録です。

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