キャッチャー・イン・ザ・ライ

キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)

キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)


J.D.サリンジャーのこの本にはじめて触れたのは、野崎孝氏訳のものだったと記憶している。まさかこれを村上春樹氏の訳で読み直すことになろうとは思ってもみなかった。
学校を退学になった主人公ホールデン・コールフィールドのいわば胸の内を綴った作品。一人称口語体で、やりきれない気持ちだとか、ある行動をとったその真意、妹や兄、そして死んだ弟など家族への想いなどを語っている。けっこうモテそうなルックスのようなのに、案外臆病だったりするところは、ちょっと親近感すら持てたりする。舞台も12月のニューヨークなので、この季節読むのにぴったりかもしれない。
実は野崎訳を読んだのが過去のことすぎてもう記憶にないのだが、村上訳も十分読みやすかった。唯一苦言を呈すれば、やはりタイトルがカタカナというのが残念だなぁ。やはり日本語で表現してほしかった。
さて、この本の中には「ライ麦畑をやってくる、誰かさんが誰かさんをつかまえたら(If a body catch a body coming throughout the rye」という曲が出てくる。一体どんな曲なんだろう…と探してみたら、これだったようだ。

アイルランド民謡? 実は高校生の時だったか、学校の授業でこの曲をアレンジしたような音楽で踊りを踊ったことがある。奇しくもホールデンと同じ年頃。あの頃、その音楽がCatcher in the ryeと関係あると知っていたら、踊る時の心持が変わったかしら。