ラテン化したジャンゴ・ラインハルトの名曲「黒い瞳Les Yeux Noirs」

先日、映画「ルビー&カンタン」で名前を認識したギタリスト、オレリアン・ブリAurelien Bouly。
Francis Veber映画とマヌーシュ・ジャズ - 空間Annex
この人が昨年出したアルバム"Latin Jazz Manouche Concept"がちょっとおもしろい。マヌーシュ・ジャズを演奏しているお仲間とともに、ラテン音楽をやってみよう!という感じなのだ。メンバーには、彼の別ユニットTarné SpilariのヴァイオリニストSharl Draganも入っている。
曲目は、ラテンジャズのラインナップに欠かせないDizzy Gillespieの"Tin Tin Deo"や、Tito Puenteの名曲"Oye como va"なども入っており、ラテン好きにはたまらない選曲だ。マンゲイラの名曲"Preciso me encontrar"では、カヴァキーニョも入っているあたり、工夫を感じる。ラテン・ジャズはパーカッションに魅力で聴くものが多いので、ちょっとその部分が弱いかなぁなんて感じる部分もあるが、少なくとも安易なアレンジではなく、彼なりに考えた「ラテン化」の試みなんだと思う。もしや、ブエナビスタ・ソシアルクラブの世界とジャンゴの世界は、案外どこかでつながっているのだろうか。
マヌーシュ・ジャズ好きが試すべきは、このアルバムに入っている"Belleville"と"Les Yeux Noirs"じゃないかと思う。"Les Yeux Noirs"は、よい具合にメレンゲになっている。ほんのちょっぴりリズムの取り方が変わっただけで、不思議なものだ。これがサルサクラブでかかっていても、みんな違和感なく踊るのではないかしら。