- 作者: 桐野夏生
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/09
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この世のものとは思えないほどの絶世の美女ユリコを妹に持つ姉と、その姉にかかわる人々の人としての卑しさがこれでもかという感じで書かれている本。姉の同級生和恵は明らかに、あの、「東電OL殺人事件」をモチーフにしていたり、やはり同級生のミツルは、明らかに、あの、カルト宗教団体に入信していた人々のプロフィールだったりと、当時の世相を反映していて面白い。彼らが育ったというQ女子高(まあモチーフもうっすらわかる)の、下からと途中からの厳然たる差別というのも、よくわかる。
それにしても、人というのは、そこまで自分の変化に鈍感でいられるものだろうか。昼間は大手企業会社員、夜は娼婦として身を持ち崩していく和恵に、心からぞっとした…。