沖で待つ

沖で待つ (文春文庫)

沖で待つ (文春文庫)

沖で待つ」のほか、3つの短編が含まれている。
住宅設備機器メーカーの営業で同期だった男の子太っちゃん。同期の及川さんとの固い友情のなか、太っちゃんと約束を果たすために、及川さんは部屋に忍び込む…この営業の様子がリアルなのは絲山秋子さんがまさに住宅設備機器メーカーの営業をしていたから、ということらしい。
そうそう、日本企業の同期入社の関係ってこんなだったよなぁと懐かしく、ときにほろ苦く思いながら読み進めていった。
オールひらがなとカタカナで書かれた、「みなみのしまのぶんたろう」も、都会暮らしで恵まれた主人公がひょんなところで行き着いた場所で徐々になじんでいくという、とらえようによってはファンタジーなんだけれども毒が盛られていて印象的。