- 作者: 群ようこ
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/09/25
- メディア: 文庫
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群ようこさんといえば、着物を着て365日暮らしてみた日々をつづったエッセイなど、和物に凝っていらっしゃる印象があるが、この本もそんな彼女が三味線を習い始めて、おさらい会に出るまでの様子を描いたもの。
トホホなエピソードばかりだが、一生懸命練習を続けてついに名取になられた模様だ。
三味線という楽器にふれたことがある人なら、「あるある」がたくさんつまっていてエッセイの内容に同意できるだろう。勘所を押さえる左手が動かない…などという話は、三味線がギターとは違う持ち方をする弦楽器故に起こる現象であり、よくあることなのだろう。
「さわり」の話も、より具体的に、それが何者かがよくわかったりしていろいろと勉強になった。
ちなみに群さんが初めて習った小唄はこれらしい。「水の出花」。なるほど。
また、群さんが発表会でやった「笠森おせん」も、江戸時代、谷中にある笠森稲荷門前の水茶屋「鍵屋」で働いていた看板娘だったおせんをモチーフにしたものと思われる。歴史がある芸事はそんなところもおもしろいね。