「クリスマスっていったいなんなの?」と考えさせられる古典アニメ、"A Charlie Brown Christmas"。原作は65年とのことだが、Peanutsが好きすぎて谷川俊太郎さんが訳した単行本をたくさん有していた私がこの映画を知ったのはここ数年のこと。全編にわたってピアノトリオ中心のジャズが使われているものの、たまたまおしゃれなつくりだというだけでそれ以上のことは調べようとも思っていなかった。ただ、なんとなくしっとりと静かにクリスマスを過ごしたい時にこの映画がみたいと思うくらい。
今年のクリスマス、ネットのラジオ番組からふと流れてきたのは、David Benoitの"Christmas Time is Here."という曲だった。
これをきいて、すぐにピンときた。あのスヌーピーの飼い主、チャーリー・ブラウンが活躍するのクリスマス映画に出てきた曲だ! そういえば、アレンジは初めてきいたけれど、そうか、もしやあの映画のサントラは、全編同じ人が手掛けているのか!?
調べてみてわかったのが、Vince Guaraldiヴィンス・ガラルディというピアニスト兼作曲家の存在だ。サンフランシスコ出身で、作曲家としてはグラミー賞受賞経験もあるようなこの方は、チャールズ・シュルツCharles SchulzのPeanutsシリーズ(つまりはスヌーピーとその仲間たち)のTV作品に曲を付けるご縁に恵まれた。そのきっかけは、ピーナッツ特番の担当プロデューサーがたまたまタクシーのラジオでガラルディのトリオ作品をみににしたことだとか。このプロデューサーはすぐに 地元紙であるSan Francisco Chronicleのジャズコラムニストに連絡をとってガラルディを紹介してもらい、ガラルディはその後、テレビアニメ17作品の曲を担当するとともに、映画のサントラも手掛けたとか。ちなにみDavid Benoitは、Vince亡き後にピーナッツの音楽を担当したそう。
シュローダーが大活躍する曲、Lynus and Lucyもかなりキャッチーなうえにこの個性豊かな出演者たちのダンスもあって話題性が高いのだが…。
やはり私の中では"Christmas Time is Here,"の合唱バージョンが一番なのだ。
David Benoitもコーラス版をリリースしている模様。
Christmas time is here/We'll be drawing near/Oh, that we could always see/Such spirit through the year
Oh, that we could always see/Such spirit through the year
ほんと、こんな安らかな気持ちでいられる素敵な日が1年中続けばいいのにね。そんな歌詞がやさしい唄声で耳に入ってくると、それだけで涙が出てきてしまう。