2014年、La Isla Minima (Marshland), Alberto Rodriguez監督、スペイン
有能だが左遷されたらしい若手刑事ペドロと、ベテラン刑事ファン。アンダルシアの湿地帯で起こった連続殺人事件を解決すべくコンビで奔走する。小さい町、犯人らしき人は徐々に絞られてくるものの、決め手となる証拠がなかなか出てこず、事件は混迷するのだった。
結局犯人は見つかるものの、本当の意味での犯人がだれなのかはわからないため、モヤモヤしたまま終わる。ファンは、映画の途中でフランコ政権下に犯した罪やその立場、容疑者に対する態度、さらに霊媒師の女性からも妙な目でみられたりして、ものすごく怪しい感じがするが、私はファンの悪行は過去の話で、今回の事件にはかかわっていない、と信じたいな…。
恐ろしい事件と妙に美しい映像(とくに湿地帯の空撮と、ペリカンだか何だかの鳥の集団が夕陽の中一斉に騒ぐ映像に心を奪われた)、全体的に閉塞感のある村人たちが印象に残る映画。鑑賞後の気分は決して良いものではないが、観れば観るほど謎に近づけそうな気がする…。