子供たちが4日間でマヌーシュ・ジャズの基礎を学ぶまで。フランス、ヴェルダンでの試み

Transversales(トランスヴェルサール)というのは、フランスのロレーヌ地方ヴェルダンVerdunにて文化プログラムを定期的に開催している団体だ。フランス文化・コミュニケーション省等とも連携しながら、地元に良質なエンターテイメントプログラムを届けている。

この団体が昨年9月末、地元出身のマヌーシュ・ジャズ・ギタリスト、ニッチョ・ラインハルトNitcho Reinhardt を講師に招き、4日間にわたってマヌーシュ・ジャズ講座を開催したという。リズムギターとして有名ギタリストのサポートとして活躍しているベンジ・ウィンテルステインBenji Wintersteinも講師という豪華っぷりだ。
こちらの動画で、その授業の様子から、成果発表会までを知ることができる。

すごいと思ったのが、曲のチョイスだ。子供たちが合唱しながら弾いている曲は、"Bella ciao"。イタリア内戦の際につくられ、イタリアパルチザンによって歌われた、いわばレジスタンス賛歌とか革命歌のような、強いメッセージ性を持った歌なのだ。「さらば恋人よCiao Bella 」以外は歌詞を歌わず、スキャットになっているのも何か意味があるのだろうか。また、参加した子供たちはどれくらいこの曲の意味を意識しているのだろうか。

色々と考えさせられるイベントではあるが、子供たちにとっては意義深い研修だったに違いない。これをきっかけに、ヴェルダンのあたりに暮らすマヌーシュの生活への理解も深まりますように。