バンクシーって誰?展@寺田倉庫(天王洲)

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バンクシー。「いきなり街に現れてステンシルっぽい絵を壁に描くアーティスト」というくらいの知識しかなかった。少女と赤い風船の絵がオークションで競り落とされた瞬間、仕込まれたシュレッダーで半分ほど裁断され、購入者が唖然としていたことも思い出す。すごくサプライズが好きな人なんだろうな、というくらい。

この展覧会をみてわかった。そもそもアートのセンスがいいのはもちろんだが、バンクシーは非常に皮肉屋で、そして社会情勢に非常に敏感な人だ、ということを。そして彼のゲリラアート活動がこれだけ注目され話題になれば、彼の絵そのものはもちろんだか、その絵が現れる場所によっては強烈なメッセージとなって世の中に伝わるんだ。

ここにメモするのは、私がすごく印象に残った作品の数々。

1) "Walledoff Hotel"という、パレスチナベツレヘムにある実在するホテルに関する作品
tripnote.jp

高級ホテルの名前をもじったネーミング。イスラエルがこしらえた壁の脇にあり、最高に眺めが悪いらしい。こういう皮肉は、英国人アーティストならではかな、と思った。
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2)故スティーブ・ジョブスを描いた壁画
「難民の入国を禁止すると、次のジョブスの可能性も奪うぞ」ということを言いたいがために、シリア移民を親に持つジョブスを、フランスのカレーにある難民キャンプに描いたらしい。そういえば、レミゼのコゼットが催涙ガスにやられている壁画も、フランスの移民への催涙ガス使用を批判するために描かれたらしい。しかも実際にフランス警察が催涙ガスを使っている動画へのQRコードまで。
名古屋の入国管理局に絵が描かれる日もあるかも? というくらい、タイムリーに実行されるんだな、と思った。
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3) マスク系色々
こういうのもタイムリーだよね。
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4) スパイブースかっこいい
もはやこれにこめられたメッセージは覚えていないがおしゃれだなぁと思った。
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この展覧会が素晴らしいのは、実際にその壁画がある情景も一緒に作り込んであったこと。正直、この内装を手がけた人の力がなければ、面白さ半減の展示だったと思う。それくらい秀逸な内装だった。
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