フランスで始まった新たなジャズフェス"Jazz Ô Palais"は、マヌーシュ・ジャズの出演者が充実

f:id:asquita:20211026000023j:plain
フランスという国には数多くのジャズフェスが存在する。代表的なものでいえば、毎年20万人ほどの聴衆が集まる"Jazz in Marciac"とか"Jazz a Vienne"あたりは超メジャーだが、その他にも"Nice Jazz Festival"や "Jazz sous les pommiers"なんかも有名だろう。ヴァカンスシーズンともなれば小さな村でもジャズフェスが開催されるようなお国柄なのだ。

そんなジャズ激戦区の同国で、新たなジャズフェスが誕生した。名前は、"Jazz Ô Palais"。今年は9月2-4日にわたり、フランス南西部、オクシタニー地域圏のアルビ(Albi)にある La Place du Palais d’Albiというカテドラルなんかもある広場にて開催された。主催者のロラン・ミゲルLaurent Miquelはアルビ出身のジャズ愛好家であり、地元のレストランAlchimyのオーナーでもある。このフェスは、実は昨年プランされていたものがコロナにより延期されたようだ。まさにロランの情熱と地元愛がなければ始まらなかったかもしれない。

正直、ほとんどの出演者をパッと見てもあまりピンとこなかったが...マヌーシュ・ジャズ系の出演者だけは、両方大物だということがわかる。
Stochelo Rosenberg Trio
jazzopalaisalbi.fr

Django Allstars 5tet
jazzopalaisalbi.fr

45ユーロでこの2グループがまとめてみられるフェスなら、ぜひ行ってみたいものです。

まだライブ映像は公開されていないが、当日のマヌーシュ・ジャズ勢の様子が少しわかる動画が公開されている。

そして、Stochelo Rosenbergのインタビューもみられる。

ストーケロっていつも音楽に圧倒されてしまってあまりインタビューに注目したことがなかったのだが、このインタビューにより次のことを知った。字幕に出ている二つの単語から、自分がどちらの単語をなぜ選ぶのか、というのを語る形式なのだが。
●フランスとオランダなら両方を選択。なぜならパートナーがフランス人で結婚して32年。普段はオランダとフランス、半々の生活を送っていること。(だからフランス語が流暢なのか!)
●ジャズフェスかジャズクラブかなら、ジャズフェス。お客さんが自分の音楽を求めて鑑賞してくれるから。
●スウィングとマヌーシュ・ジャズなら「スウィング」。なぜなら、ジャンゴ・ラインハルトの時代に「スウィングジャズ」は存在しても「マヌーシュ・ジャズ」という言葉はなかったはずだから。

なるほど。「マヌーシュ・ジャズ」って呼ぶのはやめたほうがいいのかしら、と考えさせられてしまった。