前回、福岡市美術館に行った際に、企画展がなかなか見応えがあったこともあり、常設展をすっかりみそびれてしまった。
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そこで今回は、常設展鑑賞のためだけに福岡市美術館に行くことにした。同館の収集方針は、以下のとおり。
1) 近代の西日本出身者や西日本に関係の深い作品を系統的に収集する
2) 近現代美術の流れを展望できる内外のすぐれた作品を系統的に収集する
3) 西日本に関係の深い近世以前の作品を収集する
4) 寄贈された一括コレクションに深い関わりのある作品を収集する
5) アジア美術(東洋美術)の独自性を示す、古代から近世以前までのすぐれた作品を収集する
たまたま、近代日本洋画家でメジャーな黒田清輝、吉田博、青木繁、坂本繁二郎等はみなさん九州出身らしく、彼らの作品が置かれている。そして「近現代」の美術作品もダリ、ミロ、バスキア、シャガール、ウォーホールの作品もあり、豪華だと思った。そういえば、日本で現代アートを鑑賞する機会って六本木の森美術館以外では少ない気がする。現代アートのみならず、焼き物系や、それこそ九州つながり(壱岐島出身)で電力の鬼、松永安左エ門旧蔵の茶道具や旧福岡藩主黒田家の什宝(志賀島の金印含む)、仏教美術も素晴らしい。さらに、大好きな仙厓の作品も数点あると思ったら、博多にある日本で最初の禅寺、聖福寺の住職を務めていたから、ということらしい。
インカ・ショニバレCBE「桜を放つ女性」、秋山祐徳太子の都知事選ポスター、福岡拠点に活躍するKYNEの作品「Untitled」、1930年代半ばから1940年まで福岡で活動した前衛美術グループ「ソシエテ・イルフ」の作品群もよかった。
ソシエテ・イルフは前進する(福岡市美術館)|美術手帖
入場料200円とは思えない魅力的な常設展。福岡に来たら、企画展の内容に関係なく常設展を見てほしい。鑑賞終了後は、スマホの充電をしながら美術館一階にある、ニューオータニが運営するカフェでほっと一息、最高の癒しとなること請け合いだ。