ヘレーネ・クレラー=ミュラーは、とあるきっかけで美術の世界に出会い、財産を持っている夫とともに近代絵画の巨匠による作品を集め始めたという。11,000点もの近代絵画コレクションがあるそうだがなかでもフィンセント・ファン・ゴッホにはとくに思い入れを持って、まだ彼が売れていない頃から蒐集を開始し、270点ものコレクションを有したとか。
展示は、時代と場所に沿って行われていた。オランダで画家になることを決めて、ひたすら対象を描写する時代から、パリへの移住、そしてアルル時代、療養院での作品群...実はゴッホが画家への道を志したのは28歳の時であり、今回の展示会には、どちらかといえばこのオランダ時代、そしてパリ時代の作品が多かったと思う。とくにオランダ時代は、人物の描写も多く、ひたすら描いて自分のスタイルを見つけたいという思いが伝わる作品が多かったように思う。とくに、南仏時代しか認識していない私には新鮮だった。
ちなみにゴッホの絵の色彩をみると、いつもウディ・アレン監督の「ミッドナイト・イン・パリ」のポスターを思い浮かべてしまう。
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彼女がゴッホ作品を多く買い付け、そして公開をしたことで、ゴッホ作品に興味を持つ人たちが増え、結果的にゴッホの名声を響かせる一因となったという。ゴッホといえば、生前にその絵の価値が認められず、その苦しい暮らしを弟のテオとの書簡で綴っていることが印象に残っている。生前にその作品が認められなかったことは残念だが、美術愛好家がその価値を加速させることもあるのか、ということを改めて思い知ったのであった。こちらは、都美術館で行われた同じ展覧会のレビュー。
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ちなみにこの福岡市の美術館、大濠公園内にあるのだが、カフェも休憩スペースも充実しているので、ゆっくり過ごすのにお勧めだ。リニューアル事業の一環として置かれたインカ・ショニバレ CBEの作品「ウィンド・スカルプチャー(SG) Ⅱ」も印象に残った。
草間彌生作品も発見!