生誕110周年 片岡珠子展@国立近代美術館


2008年に103歳で逝去するまで描き続けたという画家、片岡珠子氏の展覧会。ポスターなどのせいもあって、ビビッドな作品を展開しているイメージだったが、初期の頃はごくごく上手な日本画といった感じだ。落選の神様、と呼ばれていた時代もあったそうだが、描いて描いて描きまくった結果、晩年の大胆さは印象的。50歳まで小学校の先生をしていたとかで、生徒たちをモチーフにした絵などもあったが、とにかく身近な題材をひたすら描き続けたんだろうな。
色々なデザインのあざやかな富士山も、有名だという、当時の有名人の顔の絵の背景にその人の作品や関連する歴史を盛り込んだ「面構」シリーズも、構図がいちいち大胆で感動した。晩年は裸婦をひたすら。
意味のある仕事を丁寧に継続してきた結果の片岡珠子作品なんだと思った。

ちなみに国立近代美術館には保坂健二朗という方がいらっしゃるらしく、この方が大胆な企画をされたりして美術館を面白くしているそうな。いつもは特別展しかみないのだが、今回ついでに常設展を観てみたら、ちゃんと片岡珠子の展示に沿って、所有美術品から女性の絵や肖像画、富士山などをフィーチャーしていた。「見るべき所蔵品」もちゃんとわかりやすくピックアップされている。さらに現代アートについては「この作品をXX円で購入した理由」なども書かれていて、思わず見入ってしまった。同日開催の「大阪万博1970 デザインプロジェクト」も、興味深いデザインの宝庫でこれまた面白かった。カフェもあるし、眺めのいい部屋もあるし、またいい展示があったら国立近代美術館には足を運んでみよう。


ちなみに片岡珠子展、ポスターのデザインもこれまた好みでございました。
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