ジャズ喫茶論〜戦後の日本文化を歩く(マイク・モラスキー著)

ジャズ喫茶論 戦後の日本文化を歩く

ジャズ喫茶論 戦後の日本文化を歩く


もうちょっと体系的にジャズ喫茶を捉えているかなぁと期待したが、実際はどうだろう。ヒアリング取材とエッセイと分析の間くらいな感じかな。個人的には、ジャズ喫茶ってのはこちらから定義するのではなく、店主がジャズ喫茶だという自覚があるところのみをすくい取って分類すべきだと思っている。それに、一番はじめにサウンドカフェ・ズミが新型新店に分類? 新しいけれどむしろ典型的ジャズ喫茶じゃないの? なーんて、分類にも納得がいかなかったり。変に分析しようとせず、全国の自称ジャズ喫茶を取材して、その歴史と現状と店主のお人柄をありのままをまとめてほしかったなぁ。「全国ジャズ喫茶放浪記」とか、どうですか?

ただ、日本特有であろうジャズ喫茶を歴史から辿って、時代ごとに分析しようという試みは意義深いと思う。これからも「日本文化として」ジャズ喫茶が発展しますように。

そういえば、今年の夏、吉祥寺の飲み屋さんで仲良くなった新聞記者がジャズ喫茶の取材をするというので、知っている人を紹介したことを思い出した。見返してみると、その記事にもこの本の著者Mike Molasky氏が掲載されていると、今知ったのだった。
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