ハワイの歴史と文化〜悲劇と誇りのモザイクの中で(矢口祐人)

ハワイの歴史と文化―悲劇と誇りのモザイクの中で (中公新書)

ハワイの歴史と文化―悲劇と誇りのモザイクの中で (中公新書)


ハワイといえば楽園イメージ満載の地だが、それだけの場所ではないはず…という気持ちで、この本を手にとった記憶がある。改めて読んだが、色々な角度からハワイの歴史を捉えた、いい本だった。とくに、移民した日系人の暮らしぶりがよく書かれている。
サトウキビ畑での労働があまりにも過酷だったことから歌われた「ホレホレ節」の話なども興味深い。

「ピクチャーブライド」という映画があって、これが当時の移民事情を物語る貴重な映画なようだ。DVD見付けるのが大変そうだけれども観てみたい。

アメリカ人と信じて育った日系人二世が、第二次世界大戦によってもたらされたトラブルについても書かれている。危険人物とみなされてトゥールレイクのInternment campに収容され、その様子を絵に描いたというハワイ生まれのヒロシ・ホンダ氏のことも、この本に書かれていた。この人については、今後調べてみようと思う。

音楽の話題が豊富だったのも、読んでいて楽しかった。たとえば、U2の"Pride"は、ボノがホノルル滞在中に作ったキング牧師追悼曲。これが、白人にハワイ王朝を転覆されたネイティブ・ハワイアンにも響くものであることから、同曲をネイティブハワイアンと白人のデュオHapaがカバーしていたりする。

ただし、ただのカバーソングではないことは、聴けばわかるだろうか。
ハワイどっぷりついでに見つけた、ハワイの古典曲"kanaka"。

コンテスト優勝経験がある、KaumakaiwaとSean Na'auauの共演によるものだ。ハワイ語って不思議な響きの言葉だね。