国立能楽堂でジャンゴ・ラインハルト?

狂言を観に、久々に国立能楽堂へ行った。ロビーでぼけっとしていたら、パンフレットホルダーに並んでいたギタリストのイラストに目を留めた。そこから醸し出される雰囲気から、なんとなく「まさかジャンゴ?」と思って近寄ってみたら、本当にジャンゴ・ラインハルトのイラストだった!
その正体は、「日本芸術文化振興会ニュース」の表紙。ささめやゆき氏のイラストだそうで、表紙の説明として、こんなことが記されていた。
「ラジオから流れてきたジャズギターを咄嗟にテープにとった。一分ほどしか再生できなかったが、その"マイナースウィング"に心がふるえる。」

素敵な出会いだわ、という気持ちと、不思議だなぁという気持ちが半々。私は確かにジャンゴの音楽が好きだが、それだけでけっこうな確率で関連するものに出会うものなのかな。国立能楽堂に置いているパンフレット類というのは、いずれもお能や狂言などの伝統芸能ものばかり。「日本芸術文化振興会ニュース」というのは、独立行政法人日本芸術文化振興会が出している冊子で、文楽お能、歌舞伎、狂言など、日本の伝統芸能の情報しか掲載されていないのだ。表紙だって、本来は伝統芸能を扱っているとばかり思っていた。こんなふうに。

偶然とはいえ、やっぱり不思議だねぇ。
帰宅してすぐにこのささめやゆき氏のプロフィールをチェックすると、85年にベルギー・ドメルホフ国際版画コンクールにて銀賞を獲得していらっしゃる。ということは、ジャンゴの生地であるベルギーに滞在していて、そのなかでジャンゴに出会ったのだろうか。私のとった写真はトイカメラで加工されているが、実際のイラストは、オリーブグリーンの背景で、描かれたジャンゴは真っ白なスーツに赤いタイをしている。味のある、素敵なイラストです。
◆ささめや ゆき氏のWebサイト
http://www.tis-home.com/sasameya-yuki