メキシカンスタイルのマヌーシュジャズはこんな感じ....かも。

"Django Reinhardt, su legado y su historia con Jazz Manouche"というタイトルの動画を見つけた。"マヌーシュジャズと一緒にみる、ジャンゴ・ラインハルトの伝説と歴史"という意味だ。主催がICEDとなっていたので調べてみたところ、メキシコのデュランゴ州にある伝統文化振興団体であるThe Institute of Culture of the State of Durangoのことを指すらしい。もといデュランゴ州というのも知らなかったが、メキシコ北部の州らしく、伝統音楽(先住民音楽)もさかんらしい。私は知らないが、作曲家Silvestre Revueltasや Alberto M. Alvarado、ピアニストRicardo Castro声楽家Fanny Anitúa(敬称略)あたりがフォルクローレに対する影響力があるらしく、かつICEDが積極的にプロモーションに協力しているようだ。
きっとマヌーシュ・ジャズも「フォルクローレ」というコンテキストで紹介されているのだろう。
そして、動画を見ていたのだが、なんだろう、ちょっと牧歌的というか、不思議な感じであった。編成はピアニカとドラム、そしてギター3本で、服装もかぶっている帽子のせいか、ちょっとマリアッチバンド的空気すら感じさせる。ただ、レパートリーはマヌーシュ・ジャズな気がする。Manouche Jazzという単語は一般名詞として使われているのではなく、この5人組のグループ名を指しているようなのだ。

他にも活動がないかと思って"jazz manouche mexico"という検索をかけてみたが、見つからない。代わりに見つけた気になるグループが、"Hot Clud Durango"だ。

こちらはギター2本とピアニカの編成。映画「ミッドナイト・イン・パリ」のテーマ曲であるStéphane Wrembel の"Bistro Fada "を演奏している。

こちらは別の動画だがICEDがアップしている動画に入っているギターの二人は、この人たちではないだろうか。Lubi Landazuri とAntonio Gallardo。なかなかいい感じではないか。

こちらは、ピアニカとギターのデュオ演奏。ピアニカは、Andrea Zaldivarという人らしい。

動画は2018年のものしか見つけられなかったが、ライブ活動も継続しているようにみえる。メキシコといえばマリアッチバンドで活躍している「ビウエラ」のような別の弦楽器や別のスタイルの音楽もあるのに、そんな土地でマヌーシュ・ジャズを突き詰めていこうとしているこのバンドとジャンゴの影響力って半端なく大きいのだな、と思うのであった。
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