- 出版社/メーカー: 角川映画
- 発売日: 2010/08/27
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(2009年、ウディ・アレン監督、米/西、Vicky Cristina Barcelona)
アメリカ人のヴィッキーとクリスティーナが、それぞれの目的をもってバルセロナにいるヴィッキーの親戚宅に長期滞在することになる。あるパーティーで二人が出会ったのが、画家のフアン・アントニオという男。彼の誘いで、彼の故郷オビエドに二人で向かうことになるのだが…。
先日観た"Midnight in Paris"、あれもウディ・アレン作品だったが、あの映画と同様、スペインにとても行きたくなるような映画である。ただ、前回も思ったのだが、現地の言葉を尊重しないのはいかがなものか。ストーリーの中に、フアン・アントニオが、元妻であるマリア・エレーナとケンカするシーンがあるのだが、その場にいる米国人クリスティーナに失礼だから英語で話すよう何度も諭している。でも、芸術家同士で激しい性格の二人のケンカが、英語ってなんだか不自然ではないか。しかもファン・アントニオの英語が流暢すぎるのも、この映画では腑に落ちない。ペネロペ・クルズ演じるマリアの、ちょっとスペイン語なまりの英語こそがリアルだと思うのだが、どうだろう。しかも、ヴィッキーなんてカタルーニャの文化を論文のテーマだかにしているのに、その程度のスペイン語力なの?と言語的に突っ込みどころ満載だった。
詩人であるファン・アントニオのお父さんが、美しいカタルーニャの言葉を慈しむあまり、敢えて外国の言葉は話さないというポリシーを話していたが、それこそ納得…というか、もう少しその精神を映画全編を通じてみたかったなぁ。