きっとジャンゴの遠い親戚。ニッショ・ラインハルトNitcho Reinhardt


ニッショ・ラインハルトNitcho Reinhardtという名前を聴いて、ピンとくる人はどれくらいいるだろうか。少なくとも、私はお初に聴いたものの、苗字をきいたら「あれ、ジャンゴの親せき?」と思う。当然だろう。
さて、現在ジャンゴ・ラインハルトの直系の親族としてよく名前が挙がるのは、今は亡きBabikの息子、つまりジャンゴからみると孫のDavid Reinhardtと、ひ孫のLevis-Adel Reinhardtの二人であろう。Davidについては、すでにアルバムを複数枚出すほどの活躍っぷりで、知名度も高いのではないか。Levis-Adelは、映画に端役で出たりしてこちらも注目度は高いが、活躍という意味合いではもう少し年を重ねてから、かもしれない。
一方、ニッショはどうだろう。苦労して見つけたプロフィールによれば、弟ユリ・ラインハルトYouri Reinhardt、そしてコントラバスのティエリー・シャントループThierry Chanteloupという人とともにトリオで活躍中。拠点はロレーヌ地方だろうか、すでにアルバムも二枚リリースしたそうな。ジャンゴの音楽はCDで聴きながら独学で学び、演奏はもちろんのこと、自身も作曲をするらしい。そして注目すべきは、自身がジャンゴとのcousin lointain、つまり遠戚であるといっている点だ。
きっと、3-4世代も下れば、ジャンゴの親戚を名乗る資格のある人もたくさんいることだろう。でも、忘れちゃいけないのは、そのプレッシャーだ。
「ラインハルト」の名を名乗れば、観客が求めるのは、マヌーシュ・ジャズ・ギタリストとしての実力だろう。そうに違いない。どうぞニッショさん、そしてユリさんには、名前に負けぬよう実力を磨いて、明日のマヌーシュ・ジャズを担ってほしいと思った。