江戸期の民藝 ~暮らしに息づく美~@日本民藝館

柳宗悦河井寛次郎濱田庄司あたりに興味がある人なら、民藝運動の聖地であるこの日本民藝館には一度は行きたいと思えるだろう。この美術館は、とくに派手ではないが、日常生活で使う品々のなかに美的価値を見出えsるような品々がたくさん展示されている。
江戸時代は民芸品の黄金期らしい。本展示会のパンフレットには、「工藝が民衆のものとなり、純日本のものに消化されて発達したのは、むしろ徳川時代なのです・という柳の指摘もかかれている。鎖国体制もまた、独特の美意識などを生み出したらしい。
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食器ももさることながら、布類や鹿の革でできた羽織が印象的だった。羽織なんて木綿がふつうだと思っていたのだが、革製のものは一生ものだね。あとは、ガラスの三段重ねのお重なんかも印象に残った。手作りの素朴さがあふれた、素敵なものがたくさんあった。

実は柳は、初期のコレクションである朝鮮半島の焼き物を非常に大切に思っているそうで、その形状美を尊び、日本統治下の韓国で文化的な建物が壊されようとしているときには、その反対運動をして建物を守る、ということも行ってきたそうだ。知らなかったなぁ。
河井寛次郎濱田庄司の作品は当然のものとして、民藝館には海外の作品も多くある。ベトナムの染織はラオスの布好きなのでたんに素敵だと思って眺めていたが、アフリカの造形の部屋はおもしろかった。原始的な感じだが、不思議と民藝館の内装とマッチするのだ。審美眼がある人というのは、いとも簡単に国境を超えるのだね。
民藝館の売店も、現代の民藝やインド、ベトナムあたりのおしゃれな布がたくさん売られていて、これまた素敵だった。とても使いやすそうな菜箸を購入したのだった。ここはまた折を見て定期的に来てみたいものだ。

こちらは、松本民藝館に行ったときの記録。民藝の定義に、一本筋が通っていていいね。
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